コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2016年06月07日

勝ち点をもぎ取った梟は山頂を目指す(VS ジェフユナイテッド千葉 感想)

 札幌ドームが悲鳴に包まれた。その視線の先には苦悶の表情を浮べた背番号17が居た。5試合ぶりの先発出場は6連勝の始まったセレッソ大阪戦以来。前節で退場になってしまった深井一希と軽い肉離れを発症した宮澤裕樹が欠場したことで巡って来た先発の機会。同じく先発でのボランチ出場は久しぶりである堀米悠斗と共に、千葉のパスコースをことごとく潰していく。というより、堀米にリードを付け千葉オフェンスを狩の如く追い込んでいったという印象だ。調子が良かったがうえに起きてしまった事故だった。右膝前十字靱帯断裂、全治8ヶ月。ベテランの域に足を踏み入れてしまった稲本潤一にとってあまりにも痛すぎる怪我での離脱。前半14分という早い時間に守備の要を失ってしまったコンサドーレは、この動揺を収めるまでに授業料として痛い2失点を喫してしまうことになる。
 稲本に代わってボランチに入った上里一将。「コンディションは整えてきた。」と強がったが、「試合勘が戻らないところは修正していきたい」と反省を口にした。コンビを組んだ堀米とどちらがスペースを埋めるかといった役割分担が上手くいかず、そのスペースを使われてしまうといった点が散見された。ここを埋めていれば阿部翔平のゴラッソは防げたかもしれない。痛い授業料だったと言えよう。試合勘が戻らず、視野が狭いという印象を受けたこの日の上里。右サイドのマセードがオーバーアクションでボールを要求していたが、彼の望むタイミングでフィードが渡ることは終ぞなかった。その代わりに生き生きとサイドを抉ったのが石井謙伍だ。千葉の右SB多々良敦斗は片翼を担う阿部が攻撃の起点となる一方で、守備的な役割を果たし危ういバランスの千葉ディフェンスを支えていた。これがこの試合は裏目に出て、一気呵成に仕掛けてきた石井を止めることは出来なかった。このドリブルでの突破がコンサドーレに勢いを与え、前半のうちに内村圭宏の4試合連続ゴールで1-2として折り返す。そして待ちに待ったヘイスのゴールだ。持ち前のフィジカルの強さでボールを収め、都倉賢にシンプルにはたく。斜めに走ったヘイスはその都倉からの折り返しを受け左足を合わせた。…言いたいことは分かる。だがここは素直に、ヘイスの来日初ゴールでコンサドーレが同点に追いつく。同点に追いつかれたジェフはFWエウトンに替えてDF大久保裕樹を投入し、守備を固め引き分けでの勝ち点1を狙う。同点となった時間帯からコンサドーレがボールを保持する時間帯が増していく。カウンター合戦となったが、後半アディショナルタイム2分過ぎにコンサドーレが得たCK。福森の左足から放たれたクロスにヘイスが反応するも、枠を捉えることなく結局2-2のドローとなってしまった。
 なってしまった。と書いたが、タイトルどおり「もぎ取った勝ち点1」である。稲本の怪我での離脱に動揺はしたものの、今季初の2点差を追いついての引き分け。先制され試合の主導権を奪われたところから、見事盛り返して見せた。ここで得た勝ち点1のおかげで2位町田ゼルビアに勝ち点2差をつけることが出来た。仮でも負けることは考えたくないが、もし順位が入れ替わったとしても勝ち点差を1で追いかけることが出来る。この勝ち点1はコンサドーレにとって非常に大きな1点になった。一方2点差を追いつかれたジェフ千葉。勝ち点2を失ったと考えざるを得ない。その中で2枚目のカードとしてFWに替えDFを入れるという交代策は、私には弱気に映った。6試合無敗という結果は残したものの、内訳は2勝4分。2戦連続のアウェイ、6連勝中で首位に立つチームが相手。そう考えれば引き分けという結果は充分かもしれない。だが、2点先行しても勝てないというのはJ1昇格を目標とするチームにとって由々しき事態、ある種の格付けが成されてしまったと考えなくてはならないのではないか。「知らず知らずのうちにチームが守備的になっていくこと」これを危惧していたのは株式会社コンサドーレ社長、野々村芳和だ。果たして関塚隆監督は気付いているのだろうか。誤ったメッセージがチームに伝播していくことを。人の振り見てなんとやら。この試合を見る限り、コンサドーレの用兵術・戦術に弱気なところは見られない。稲本の長期離脱という最悪の事態が発生し、さらに最大の難関が水曜日に迫っている。松本山雅FC。目下3連勝中。得点20、失点9で3位まで順位を上げてきている。その彼らのホームに乗り込んでどこまで闘えるか。シーズン前半戦最大の山場だ。現地に飛ぶことは出来ないが、心は共にある。折必勝、コンサドーレ!

posted by kitajin26 |07:06 | 試合感想 | コメント(2) | トラックバック(0)

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この記事に対するコメント一覧
Re:勝ち点をもぎ取った梟は山頂を目指す(VS ジェフユナイテッド千葉 感想)

去年のコンサはホーム大宮戦で前半ほぼパーフェクトな内容で2点差で前半を折り返しましたが、結果は2-3で敗戦。やはり去年のコンサは昇格に値する力が無かったと思います。今年は少し違いますね。

posted by のりん| 2016-06-07 07:42

Re:勝ち点をもぎ取った梟は山頂を目指す(VS ジェフユナイテッド千葉 感想)

のりんさん コメントありがとうございますm(_ _)m
やはり追いついて引き分けに持ち込むことができるというのは、昨年と違う点だと思います。何より面白いですよねw
あと、途中出場した選手がどんな形であれ得点を取ったことも収穫だと考えています。前回昇格した時の岡本や上原のようなジョーカーが出てくることを期待しましょう!

posted by キタジ| 2016-06-07 23:02

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