コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2016年05月21日

釜玉~レ讃岐

 名前のインパクトが強い。というより出落ち気味だった。このTHE☆うどん県な名称に香川紫雲フットボールクラブからサンライフフットボールクラブを経て、現在の名称に改称されて早10年。こんな名前のチームがあるんだと微笑ましい気持ちで見ていられたのも束の間だった。2敗2分。死の国と書いて四国。J2昇格から3年足らずでコンサドーレの天敵になりおおせてしまった。智将北野誠体制は7年目を迎え、より円熟味を増している。この天敵に対し、四方田監督は「試合によって陣形が変わるつかみどころのないチーム」と評し、更にキーマンとして木島徹也、高木和正の名前を挙げ、前線の選手を働かせないようにしたいと意気込んだ。
 「つかみどころのないチーム」。4-1-4-1、4-4-2、4-2-3-1と3つのフォーメーションを駆使し、手堅く勝ち点を積み重ね現在4勝4敗5分で12位に付けている。「立ち上がりの早い時間帯に失点しないのが大事。ブロックを組んで、最後は体を張って守る。」と北野監督が述べるとおり、まず守備から入る。エブソン、藤井航大のCBコンビを中心にゾーン気味に4バックを形成。そしてボランチの岡村和哉がボールを奪い高木和正を経由し前線に鋭いカウンターを仕掛ける。また左サイドに攻撃の比重を置き、SBの西弘則とSHの馬場賢治が敵陣を抉り、待ち構える仲間隼斗や良輔・徹也の木島ブラザーズにラストパスを供給する。とはいえキーマンは高木和正だろう。ゴールこそないもののアシストは5と2位タイ、ラストパスも24を数え司令塔として中盤に君臨している。FKも任されており、チームのゴール15点のうちセットプレーからのゴールは5と重要な得点源となっている。粘り強くコシのある「カマナチオ」を展開し、蜂の一刺しを狙う非常にやりづらいチームだ。
 とはいえ弱点は勿論ある。現在6試合勝ちなしと勝利の女神に見放されており、先制した試合も清水エスパルス戦の1試合のみ。だが「蜂の一刺し」でどうにか引き分けに持ち込んでいるというのが現状だ。「守備から入る」あまり、前半に相手に押し込まれると失地回復が覚束無いのだ。ロングボールを蹴ろうにも、ターゲットになりうる我那覇和樹は怪我明けで限定的な起用が続いている。そのため自陣深いところからドリブルを仕掛けてサイドに散らすという非常にリスキーな選択を取らざるを得なくなっている。中途半端なカウンターが最悪の結果を招くことは皆様の骨の髄まで染み込んでいることと思うので理由は割愛する。つまり、リアクションサッカーの限界に直面しているというのが讃岐の現状だ。また頼みの綱となっている守備の面にも不安が残る。クロスボールへの対応だ。クロスボールからの失点は6と全体の約4割を占める。この数字はツェーゲン金沢と並びJ2ワーストタイだ。ゾーン気味に守る4バックのギャップを衝かれたり、単純に競り負けたりと少しずつではあるが綻びが見えている。
 対するコンサドーレはクロスからの得点は4。またセットプレーからは直接も含めて4と全得点のうち8点をクロスまたはセットプレーから挙げている。そう、この点から言えばコンサドーレは讃岐の「天敵」となっている。スタメンに復帰するジュリーニョ、5戦3ゴールと絶好調の内村圭宏・フィジカルモンスター都倉賢の強力FW陣に加え、恥骨骨折から復帰しリオ五輪に向けて必死のアピールを続ける荒野拓馬や堀米悠斗がサイドから讃岐ディフェンスを切り裂く。前半からゴール前に釘付けにしてしまえば先ほどから述べているように、カマナチオの綻びを噛み切ってやればいいだけだ。先制点をコンサドーレが挙げることができれば、ひょっとすると思わぬ大差がつく可能性もある。
 だが侮れないのが四国という地。明日の丸亀市の天候は晴れ時々曇り。最高気温26℃。湿度は75%。纏わり付くような暑さが選手の体力を奪うだろう。札幌も最近暑くなってきたとはいえ、向こうの暑さは質が異なる。それゆえ、課題とされていた後半での追加点。これが鍵を握る。内村というジョーカーをスタートから起用するため、新たなジョーカーの出現が望まれる。上原慎也の意外性にも賭けたいが、彼の投入はおそらくサイドからの組み立てを再構築するという意図で選手達に伝わってしまう恐れがある。それゆえ、ヘイスの爆発が待たれる。彼の投入が追加点奪取へのメッセージだ。
 可能ならば前半で試合を決めてもらいたいが、試合は水物。誰も予想できないことが起きるのがサッカーだ。楽な試合などひとつもない。首位確保のためどのようなゲームを展開するのか。更なる成長を感じさせる試合を期待したい。

posted by kitajin26 |17:53 | 試合展望 | コメント(0) | トラックバック(0)