2010年10月02日
テナー・タイタン~ソニー・ロリンズ札幌公演~
昨日は札幌市民ホールで、”ソニー・ロリンズ80歳記念ツアー2010”と題された ロリンズ翁のライブを観てきました。5年前に引退宣言をしていましたが、未だ 創造意欲が衰えず、現在も尚元気に演奏活動をしています。 ソニー・ロリンズはテナー・タイタンの異名を持つテナーサキソフォン奏者で、 1940年代のバップ期にシーンに登場し、'50年代には豊かな即興性でトップ アーティストとなった巨人です。現在80歳で、現存するジャズミュージシャンでは ビ・バップ革命を知る数少ないミュージシャンの一人です。 ライブは言葉にならないほど素晴しいものでした。 ロリンズも80歳を過ぎて 足元もおぼつかなくなっているのに、音は年齢感じさせぬほど力強く、昔と 変わらぬサウンドを聴かせてくれました。 2時間ず~っと立ちっ放しで、朗々とブローし続ける演奏は圧巻でした!! ロリンズの即興演奏と言えば、”汲めども尽きぬ泉の如く、メロディが湧き出る” と評されるほどのイマジネーションがありました。 その泉は今も枯れることなく 湧き出ていますが、曲によってはメロディが発展せず、同じメロディを繰り返す 場面が多くありました。(それでも時々インスピレーションのスイッチが入って 軽快に吹く場面もありますが) 自らのキャリアの全てを出し切ろうとするのか、延々と演奏する姿にかつて の僚友ジョン・コルトレーンの姿をダブらせ、終わりを予感させられ万感の想いが 募って涙してしまいました。 ライブ終了とともに会場全体がスターティングオベーションでの拍手によって ロリンズ翁を称えました。 【晩年の傑作ライブ~Without A Song~】
これは2005年のライブを観たときに購入したライブ盤です。昔と変わらぬ名演を 繰り広げるロリンズを聴くことができます。 昨夜のライブを観られなかった人に お勧めです。