2006年03月21日

わたしと食①

日本農業新聞に3月13日から5回、「食と農のかけ橋」というページに
エッセイ「わたしと食」を書かせてもらいました。以下は記事の再録です。
日本農業新聞の許可を得て5回分を転載いたします。新聞記事よりは
行替えを多くし読みやすくしていますが、文章はそのままです。

「わたしと食」① 朝食付きのお迎え   

               北海道フットボールクラブ社長 児玉芳明

 札幌市近郊で毎週土曜日、幼児を対象に体操を教えているTさん(66)は午前9時ごろ、各家庭に車で迎えに行きます。

 その車の中には、小さなおむすびが必ず用意されています。眠そうな顔で出てくる子どもに「朝ご飯食べた」と聞くと、ほとんどの子どもが「食べてない。お母さん、まだ寝てるもん」という答えが返ってきます。

 Tさんは自分が作ったおむすびを車の中で食べさせてから体操を始めます。

 札幌市内でサッカー少年団を指導しているコーチもご飯を食べてこない子どもが大勢いると話しています。

 北海道の地方から中学生を寮に受け入れている進学塾の友人は、「みそ汁を飲めない子、飲もうとしない子が大半」と言います。

 「500円玉だけ持たされて学校へ行き、帰りはコンビニでスナックを食べるのが夕食」とも言うのです。子どもたちの貧しい食事の風景が浮かび上がってきます。

 日本の子どもたちの食生活はいつから、こんなことになってしまったのでしょうか。

 大好きなサッカーを通して、子どもたちに食べることの大切さを教えることが出来ないか。「スポーツと食育」運動を始めたところです。

 1937年横浜市生まれ。北海道新聞出版局長、道新スポーツ社長などを経て2005年3月から現職。同クラブはサッカーJ2コンサドーレ札幌を運営。スローフード組織の会員でもある。


posted by kodama |18:17 | 雑感 | トラックバック(0)

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