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2006年12月12日

天皇杯5回戦(vs新潟)

12月に入って好天が続いていた関東は、この日に限って真冬並に冷え込みとなり、小雨まで降っていた。

千葉のスタジアムで、札幌と新潟の試合ということもあり、メイン・バックスタンドはガラガラ。
互いのゴール裏だけが、赤とオレンジ色に染まっていた。
ホーム側を占拠したコンササポの数も、決して新潟に負けていない。


唯一のJ1対J2の対決となったこの試合。
一進一退の攻防が続いた。
先取点を取られるが、砂川のゴールで追いついて前半を折り返す。
後半の早い時間に、2点目を取って勝ち越し。
だが、残り時間が少なくなってきたところで、優也が前に置いたボールを矢野貴章に奪われ、有り得ない失点をしてしまう。

しかし、我々には気落ちしているヒマは無い。

柳下監督は、今シーズン限りでの退団が決まっている。
他にもいなくなる選手がいるだろう。
負ければ、即、今シーズンは終わってしまう。
だから、少しでも長くこのチームと共に闘いたい。
その一心で、応援を続けた。

延長戦に入っても互いにゴールを決めることができず、遂にPK戦。

負けたくない、否、勝つ。
ゴール裏は中央に密集し、コールは途切れることなく続けられた。
ピッチでは、大きな円陣が組まれた。

今年、これ程までに、チームがひとつになったことがあっただろうか。
選手だけでなく、監督・コーチ・スタッフも、そしてサポも、あの瞬間、一体となっていた。

PK戦が始まる。
観ていられない程の緊張感。
しかし、コンサの選手は次々とPKを決め、サポに向かって満面の笑みを見せ、そして仲間達の元に戻って行った。
共に闘っている、そんな気がした。

そんな中、優也だけがその輪に入ることを許されず、孤独な闘いを続けていた。

PK戦は5人全員が決め、サドンデスに突入。
しかも、7人目からは、ペナルティーマーク周辺の芝が悪くなり過ぎて、新潟側のゴールに変更された。
逆境の中、札幌は8人目も決めて、次のキッカーは矢野貴章。
2点目を入れられた因縁の相手だ。

そのボールを、優也が止めた。

次の瞬間、極限まで高まっていた緊張感は解き放たれ、感情は堰を切り、とにかく手当たりしだいにサポ仲間と喜びあった。
ただ、嬉しくて嬉しくて、嬉しかった。
サッカーの試合を観て、これ程までに嬉し泣きをしたことは無かった。

選手達が満面の笑みを浮かべ、ゴール裏に駆け寄って来た。
優也が、深深と頭を下げる。
「好きです札幌」が、フクアリにこだまする。
選手もサポも、皆、笑顔だった。

後、もう1試合。
少なくとも後2週間、このチームと、この仲間達と過ごせる。
そのことが、本当に嬉しかった。

ここまで来たら、ユアスタだろうが国立だろうが、どこにだって行く。
目標は…言わなくても分かってるよね。


posted by イリス |23:07 | 試合観戦 |

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この記事に対するコメント一覧
Re:天皇杯5回戦(vs新潟)

過ごしたくても過ごせない仲間もいるの、お忘れなくね・・・・(足跡)

posted by 魔蛭| 2006-12-12 23:31

Re:天皇杯5回戦(vs新潟)

まひるさん…はやっ。

勿論、忘れてはいませんよ。
私にも、行きたくても行けない試合がありましたので、その気持ちも良く分かります。
その場にいない人も含めて「仲間」ですから。
行けない人の分まで声を出すのは、物理的に不可能ですが、
その人達に顔向けできないようなことだけはしたくないと、いつも思ってますよ。

posted by イリス| 2006-12-12 23:50