2006年05月30日

パオロ・ディカーニオ



昨日届いたDVDの中から『イングランドプレミアリーグベストシーン100』を紹介します。
プレミアリーグはスペインのリーガエスパニョーラ、イタリアのセリエAと並んで世界3大リーグと称される人気・実力ともにトップクラスのリーグです。
そのプレミアリーグが始まったのが92/93シーズンから。
スタート以来ファンを魅了してきたプレミアの中から印象的なシーンを100ピックアップして紹介しているのがこちらのDVDです。


私は3大リーグの中でもプレミアが一番好きです。
Arsenalがあるからというのももちろんなんですが、一番の魅力はフェアプレー精神が選手、サポーターにも浸透していることです。
イングランドの人々が最も重視しているのがこのフェアプレーです。
これが無い選手はどんなにスーパーな選手でも認められません。


このDVDの中でも最も印象的なシーンの主役パオロ・ディカーニオについてお話ししましょう。
パオロ・ディカーニオはイタリアはローマの出身で少年時代から熱烈なラツィアーレ(ラツィオサポーター)として育ちました。
少年時代の夢を叶えてラツィオに入団し、その後ユベントスやミランなどにも所属しましたが代表入りは一度もなく、国際経験にも乏しい選手ですがその激しい気性と問題行動で有名な選手です。昨年もローマダービーでファシズムを連想させる敬礼をしたことで話題になりました。
そんな彼がイングランドはウェストハムにやって来た当初は中々サポーターから受け入れてもらえませんでした。
そんな彼が一気にイングランドの人々を虜にしたのが00/01シーズンのエバートン戦でした。
試合中エバートンのGKがペナルティエリアを飛び出してボールを処理しようとした時、思いっきり足をひねり、その場にうずくまって動けなくなってしまいました。
ウェストハムの選手はGKには構わずクロスをディカーニオに合わせました。
全ての人が息をのんで見守る中、ディカーニオは思いも寄らない行動にでました。
彼はクロスをそのままキャッチしたのです。
そしてすぐにGKを治療するように促しました。
イングランド人はこのプレーで一気に彼の虜になりました。
今でこそ相手チームの選手が負傷していたらボールを外にだすのは、暗黙の了解となっていますが(たまに悪用している選手もみかけますが)当時は画期的なことでした。
ましてやそれをやったのがイタリア人というのが、イングランド人には信じられなかったようです。
彼はこのプレーで2001年のFIFAフェアプレー賞を受賞しました。
彼はインタビューの中で『イングランドだからできたことだ。もしイタリアでやっていたら・・・サポーターに半殺しにされていただろう(笑)』と語っています。
イングランドでは例え味方でもシュミレーションは嫌われます。
人を欺く様なプレーは徹底的に非難されます。それが例えルーニーやベッカムでもです。
しかしフェアなプレーには敵味方関係なく惜しみない拍手が送られます。
これはスペイン、イタリア等のラテンの国々はない文化です。
その文化をいつまでも大事に今後もプレミアリーグを発展させて行ってもらいたいと思います。
札幌の選手にもこうあって欲しいと私は思いますが、『イヤイヤやっぱりずるいことをしても勝たなきゃダメだよ。プロなんだから』と思う方もいらっしゃるでしょう。
北海道人の気質はどちらでしょうね?

posted by urobon |21:19 | 本・雑誌等 | コメント(2) | トラックバック(1)

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Re:パオロ・ディカーニオ

ディカーニオ、色々ありますがなんだか憎めない選手です。
確かに3大リーグでプレミアのサポーターが一番良い印象を受けますね。
選手達はというと別ですが・・悪質なファウルも結構目立ちますし。
自分がジェラードを実力は認めても好きになれない理由は
いつだったか相手選手の足を両足で思いっきり踏んづけて
一発レッドをもらったシーンを忘れられないからです。
相手選手の選手生命を奪いかねないような酷いファウルを
たとえ無意識にでも出来るような選手はスポーツマンとして、
何より人として尊敬できません。

そして自分がサッカーで何より嫌いなのがシュミレーションです。
どんなことをしてでも勝てば良いとは決して思えませんね。

posted by BOOGIE | 2006-05-31 00:30

Re:パオロ・ディカーニオ

>BOOGIEさん
ありましたね。
ジェラードの両足タックル!!!あれはひどかった・・・
半年くらい出場停止になってもいいくらいの酷いファウルでしたね。
私も同じくシュミレーションは大嫌いです。
例え味方でも許せないんですよね。

posted by noboru | 2006-05-31 20:04

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