2013年03月19日

シュンピーとヤス

2007年の3月のある日。
長いキャンプから、ようやくチームが札幌に帰って来て、
ああ、選手はようやく札幌での最初のオフなんだなぁ・・なんて思っていた。

確か早上がりで仕事を終え、
午後の、人がまだまばらな地下鉄東西線のホームへと階段を下りていくと、
宮の沢行を待つ人の中に、何やら見たことのあるような無いような・・の若者二人。


ああ、岩沼君と岡本君ねっ!!?
(その頃はシュンピーとヤスなんて呼んだりしていない)


この時期は、毎年そうだけれど、
それこそ新入団の選手の顔を何度も見ては覚えるのに必死で、
選手の特徴とか、細かく入ってくる情報をワクワクしながら待っている。
それに、身近にそんな若者の知り合いなどないし。
似ているとかではない、そんな二人組。
(いや、本当に別人だったかもしれないけれど)


初めての休日。
初めての街に出掛けてみたのか、何か用事があったのか
それはもちろん不明だけれど。

岡本君は「本当にここで良いのかなぁ~」と地下鉄が来る方向を
身を乗り出して確認しては、辺りをキョロキョロ見回して。
かたや岩沼君は、ぼんやりとホームにいて、立ち尽くしている。
そんな一瞬の印象。

声をかけるなんて、そんなことできるわけもなく。
突然見知らぬおばさんに、こんな道端(?)で声をかけられるなんて迷惑だろうし、
ましてや私にそんな勇気はなく。
心の中で「頑張ってね!応援しているからね!!
すっごく期待しているからね!!!」と強く思いながら通りすぎた。

先に新さっぽろ行が来たので、
その後の二人の様子はわからないけれど。
きっとドキドキしながら、帰っていったことでしょう。


あれから数年が経ち、
二人一緒に試合に出られるようになって。
左サイドで二人のパス交換からの攻撃とか、
ワクワクするような瞬間がくるなんて、
その時はまったく考えも及ばなかったわけだけれど。

今、あの頃の二人と同じ年頃の子供を持つ親になって、
改めて、大変だっただろうと、想像する。
見知らぬ街。しかも海を渡った遠い土地。
期待がいっぱいあるけれど、不安も山ほどあったに違いない。
その後、時々しまふく寮の様子を伝えてくる中に、
二人の様子や二人のご家族の様子も伝えられることがあって、
なんて素敵な関係だろうと、思わず心が和むことも多くて。
すっかり立派な若者だなぁ~なんて思うようになった。

ヤスは結婚して、子供も生まれて、すっかりパパの顔。
そして、シュンピーは今年移籍。
うちのチームで一緒に戦う姿が見られないのは残念だけれど、
二人が、同期なのは変わらない。
二人とも、まだまだ伸びる。
まだまだ、すごい選手になれるはず。
そう信じてる。



posted by tokotoko |10:27 | 選手 | コメント(0) | トラックバック(0)

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