2009年09月29日

EPISODE.7 - ダニルソン

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キブドの街の小さな広場から、
国内きってのビッグクラブへ

南米はコロンビアの西部にある、チョコ県。
アトラト川を望むこの県の中心部に州都であるキブドの街がある。


「コロンビアではサッカーが一番のスポーツ。
どの子供もサッカーをやるんです。それもほぼ全員がプロ選手に
なることを夢見てね」
 


ただし、残念ながらキビドの街は密林地帯の中にあり、
天然ゴムやヤシの実は豊富にあるものの、サッカーをやるに
相応しい土地は乏しかった。
それでも子供たちはサッカーボールを蹴り続ける。
ちょっとした広場を見つけては、朝から晩までボールを
追いかけて走り続けた。
そんな子供の輪の中にダニルソン・コルドバもいた。


「サッカーをやるには決して良い環境ではありませんでした。
でも、サッカーが大好きだったのであまり気になりませんでしたよ。
それに、教師をやっていた父がある日、サッカーシューズを
プレゼントしてくれたんです。本当に嬉しかった。兄もサッカーに
没頭していましたし、僕も毎日そのシューズを履いて走り回っていましたね」


そうしたなかで、14歳になったときに大きな転機が訪れる。
ダニルソンはスカウトの目にとまり、国内きってのビッグクラブである
インディペンディエンテ・メデジンのジュニオール(ユースチーム)に
入団することになったのだ。
「あの時のことはとても良く覚えています。とても嬉しかったですね」


でも、インディペンディエンテ・メデジンに入るということは
キブドの街を離れなければならないということ。
木々のなかで毎日ボールを蹴り合った仲間との別れでもある。
嬉しさと寂しさが混在した。


「キブドの街で、父と同じように教師を目指しながら楽しくサッカーを
やる人生もいいかな、と思ったこともありました」

それでもキビドの仲間たちと過ごした日々は、ダニルソンの背中を
押してくれる大きな力になった。
仲間たちの想いも背負いながら、ビッグクラブの門を叩くことにした。


名門インディペンディエンテ・メデジン。
そこで待っていたのは、ハードな日々だった。
もちろん日々のトレーニングもハードだったが、力が劣ると
判断されればすぐに追い出されてしまうシビアな厳しい世界でもあった。
親しかったヤツが去っていく日もそうだったが、
あんまり好きじゃなかったヤツが去っていく日もダニルソンの心の中には
大きな寂しさが生まれていた。


「毎日本当に厳しかったですね。
いいプレーを続けていても、悪いプレーをしたらすぐに外されてしまう。
ものすごいプレッシャーでした。
でも、去っていったヤツらのためにも必死で喰らいついていきました。」


そして17歳のとき、念願のトップチーム昇格を果たす。
数多くいたジュニオールの仲間たちも、この時には数人にまで絞られていた。
もちろん喜びは大きかったが
「トップに上がってもその立場を維持することはものすごく大変なこと。
それにインディペンディエンテは人気のあるクラブでしたから、
ファンの期待にも応え続けなければならない。とにかく責任を感じました」。


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多くの期待を背に、
世界というフィールドを走り続けていく

06年に果たしたトップ昇格だったが、翌年にはさっそく大仕事を
やってのける。
コロンビア国内で最も注目を集める試合である、国内2大ビッグクラブの
インディペンディエンテ・メデジンとナシオナル・メデジンとの直接対決、
通称「クラシコ」でダニルソンは見事に決勝点を挙げてみせたのだ。


国民すべてが注目する試合とあって、翌日以降は新聞、テレビなどが
こぞってダニルソンの活躍を報じた。
そしてこの年にはコロンビア代表チームにも選出されており、
ダニルソンの名は一躍、国中に知れ渡った。
その活躍はもちろんキビドの街にも、ジュニオールを去っていった
仲間たちにも伝わったはずだ。


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そしてこの09年、ダニルソンは活躍の場を地球の裏側にある
日本へと移した。身体能力とその俊足を活かし、中盤の底から
幅広いエリアをカバーして徹底して相手ボールを奪い続けて
コンサドーレの中心選手として活躍している。


キブドの街からインディペンディエンテ・メデジン、コロンビア中が
注目するクラシコ、コロンビア代表。ダニルソンが走るフィールドは、
成長とともに広がっている。
現在では地球の裏側にまで到達した。
そしてどのフィールドでも相手ボールだけでなく、勝利をもぎ取ってきた。


ダニルソンはこれからも走り続ける。
これまではキブドの仲間たち、ジュニオールを去っていったチームメイト、
インディペンディエンテ・メデジンのファンたちの想いを背中に乗せて。
そこに今ではコンサドーレのチームメイト、スタッフ、サポーターの
期待も加わった。
でもそれは決して重みではない。後押しだ。


走り続ける。奪い続ける。
そのたびに背中を押す新たな力が加わり、スピードは増す。


キブドの街の小さな広場から、フィールドはいまや地球規模へと広がった。


【TOUGH  ダニルソン選手からのRE:】
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『AGRESIVIDAD!(アグレッシブ!)』

Name : ダニルソン [Luis Danilson Cordoba Rodrigues]
Age  : 23
From : COLUMBIA
Number : 14
Position : MF


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次のホームゲーム
第50節 11月29日(日) 横浜FC
札幌ドーム 13:00キックオフチケット購入方法・お得なシートについて試合日程について


posted by 2009 選手スペシャルインタビュー |14:30 | トラックバック(1)

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