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2010年03月03日

バンクーバー五輪女子フィギュアのこと(3)

ここでで少しヨナについて書いてみたいと思います。もちろん、ヨナは優れたスケーターです。16歳でシニアデビューしたときは結構衝撃的でした。真央と同い年でこんなスケートをするのかと。ただ、どうにもその後行動言動が好きになれない部分がありました。ジャッジ批判をしたり、他選手の演技にケチを付けたり、他選手に練習の妨害されたと言ってみたり、およそスポーツマンシップに反するような言動、行動がたびたび見られました。それもチーム・ヨナの戦略の一環なのかもしれませんが、一方一切言い訳をしない、人のせいにしない浅田真央とどうしても比較してしまいますから、能力的に優れていても、ヨナは自分にとっては魅力を感じないスケーターとなってしまいました。

とはいえ私は真央贔屓ではあっても、ヨナに魅力を感じないといっても、ヨナのスケーターとしての能力を低く評価しているつもりはありません。ヨナの演技の最大の得点源はやはり安定した3-3のコンビネーションです。非常に早い助走スピードで踏切り、飛距離のあるファーストジャンプからのセカンド3Tが抜群にうまい。要はファーストジャンプの横方向のエネルギーをトゥをを付くことで見事に縦方向のエネルギーに変換することができるので、高さのあるセカンド3Tを跳べるのです。回転不足との指摘もありますが、そうはいってもオーバーターンやステップアウトすることがほとんどないのですから、その安定感は女子では随一です。

さらに、ヨナの最大の「強さ」はメンタルにあると思います。チーム・ヨナの完璧なバックアップがあったところで、本人の演技がちゃんとしてなければ全く意味がありません。国家プロジェクトとも言えるそのプレッシャーの大きさというのはとても想像できません。対して日本の場合は他にも有力選手がいるのですから、真央と比べるならば明らかにヨナの方が大きなプレッシャーを受けていたと言えるでしょう。その中にあってこの五輪でのあの演技。その精神力の強さにはさすがに脱帽です。ヨナは本当に強い。表現力については・・・まぁ「好みの問題」とだけ言っておきましょう。

他方でヨナにも弱点はあります。以前腰を痛めたこともあるせいか、フィギュアスケートの選手としては身体が硬いほうです。そのためスピンやスパイラルのポジションは正直あまり美しくはありません。それとスタミナ不足も弱点の一つです。2分50秒のショートはいいのですが、4分のフリーとなると演技後半かなりバテてしまい、ミスが出ることがよくありました。というか、フリーをノーミスで滑りきったことはほとんどないです。しかし、今回のオリンピックでは見事にその弱点を克服して、フリーもノーミスで滑りきりました。

もう一度ジャッジの話に戻します。ショートが終わった時点でヨナが真央を4.72点リードしています。そしてフリーの滑走順というのが一つの妙だったと私は思っています。最終グループの3番目がヨナで4番目が真央。真央は今季ずっと不調だったので、この五輪のショートプログラムで真央が完璧に復調し、見事な演技をしたことにジャッジの面々も驚いたことでしょう。この調子でもしフリーでも完璧な演技をしたならば、どのぐらいの点数になるのか。

格付けとしてヨナ>真央と考えているジャッジにとって、先に滑るヨナに確実に真央より高いスコアを付けるためには、もうこれ以上ないというくらいの目一杯の加点を付けることが必要だったということだと思います。どんなに真央が完璧に滑っても絶対に超えることのできないようにジャッジがヨナに与えた得点。それが150.06点。
つまり、この点数は半分は真央が出した点数だとも言えるのです。真央の神演技にビビってジャッジがヨナに点数を付けすぎてしまって、結果としてとんでもない点数になってしまった。でもジャッジにしてみればヨナ>真央の格付けを守るにはそうするしかなかった。逆に真央が先に滑って、今回の結果のように真央の点数が131.72だったとすれば、ヨナの点数はおそらく140点程度だったのではないかと私は想像してます。

この150.06という点数を見た時、私は非常に白けた思いがありましたが、他方で「さすが真央」という誇らしい気持も沸いてきたのです。(続く)

posted by たじ |21:04 | コメント(0) |

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浅田真央が戦ってきたもの・・・マスコミが決して明かすことのない真実 【ワ(ry◆waiemu/ww6】

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