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HN:たじ たこ焼きの移動販売「ほっと12」の店主です。 2001年からコンサドーレのサポートシップスポンサーを継続中。 このブログは旧題「たじ争論」でしたが2010年より「たじの○○な話」に改題致しました。 個人的に好きなことや興味のあること、気になったこと、その他いろいろを特にサッカーやコンサドーレにとらわれずに適当に書いてこうと思ってます。

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将棋界の一番長い日

2009年03月04日

「将棋界の一番長い日」と呼ばれる日がある。
それはA級順位戦の最終局、今年は昨日3月3日だった。

将棋界では名人への挑戦者を決めるために1年かけてトップ棋士10人の総当たりA級順位戦を行う。昨日はその最終局。10人のリーグなので5局の対局が同時並行して進行していく。名人挑戦者を決める戦いであるとともに、2名の降級者も決めるシビアな戦いである。

このA級順位戦というのは持ち時間が6時間、1分未満の消費時間は切り捨てて計算するので、1局の対局が12時間以上かかる。午前10時から対局が始まって、決着が付くのは翌深夜1時頃。この模様は毎年NHK-BSで放送されている。昨日は午前9:45~11:54、午後3:00~6:00、午後11:00~午前2:00と合計3回8時間に渡る放送だった。5局同時並行でめまぐるしく変わる情勢、緊迫したその戦いと人間模様は将棋のルールをあまり知らない人をも惹きつける。

現在将棋界の名人は羽生善治。昨期名人に返り咲き、永世名人の資格を得た。A級順位戦最終局前の段階で、羽生に挑戦の可能性があるのは6勝2敗の郷田、5勝3敗の木村、佐藤の3人。郷田と木村は直接対決なので郷田が勝てばすんなり挑戦者が決まるが、木村が勝てばプレーオフ。その時佐藤-藤井は佐藤が勝てば3者でのプレーオフとなる。一方降級争いは3勝5敗で三浦、谷川、鈴木、深浦の4人が並ぶ。二十歳で史上最年少名人となり、十七世名人でもある大棋士谷川浩司がもし降級すれば将棋界の大事件である。谷川-鈴木は直接対決なのでこれは負けた方が降級。三浦と深浦は三浦の順位の方が上なので、三浦-森内、深浦-丸山で三浦は勝てばA級残留、深浦は負ければ即降級。深浦は勝って、三浦が負けた場合のみ残留という状況で、全五局が名人挑戦か降級に絡んでいるという、まさに手に汗握る展開だった。

深夜11時のBS放送が始まった時点で終了していた対局が谷川-鈴木戦。谷川が勝ってA級残留。大事件は起こらなかった。きっと残留に胸をなで下ろしている谷川ファンは多かったと思う。残り4局。解説には山崎七段と渡辺竜王という若手実力者二人。軽妙なやり取りで大盤を動かして解説していくのだが、解説者も見落としをするような難解な局面ばかりで、「これは寄りでしょう」と言った盤面を実際に大盤で動かしてみると「あれれ、なかなか寄らないなぁ」ということが続いた。どんなに不利でも諦めずに極限まで粘るのがこのA級順位戦なのだ。

熱戦も次々と終わりを告げる。郷田が木村に勝って名人挑戦権を獲得。郷田は羽生や佐藤、森内と同世代のいわゆる57年組の一人で名人挑戦はこれで二回目。一方、もう一人の降級は深浦。不屈の粘りも空しく敗戦となった。深浦はこれまで三度A級に昇格したのだが、今回の降級も含めて三回とも1期での降級である。しかし、決して深浦に実力がないわけではなく、現在王位のタイトルを二期保持していて、しかも現在進行中の王将戦に挑戦、3勝2敗と奪取にあと一歩と迫っているという実力者なのである。しかし、なぜか順位戦の相性が悪い。サッカーで例えれば、ナビスコ杯や天皇杯で何度も優勝する強豪チームなのにJ1に上がると必ず1期でJ2に降格するというような不思議な存在である。

NHKの放送も見応えがあったのだが、苦言を少し。一つは分割画面を活用して対局場と大盤解説を同時に映すなどの工夫がほしかった。もう一つはゲスト解説の宮田五段。終盤力を買われての解説起用だったが、これは完全に失敗。テレビ中継なのにカメラに背中を向け、自分の身体で盤面を隠してしまう。考え込んでほとんど喋らない。喋りながら考えるということができない、全くテレビに向かないミスキャストであったのが残念。

羽生名人に郷田九段が挑戦する第67期名人戦7番勝負は4月9日、10日にその幕が開く。


post by たじ

11:54

コメント(4)

この記事に対するコメント一覧

フラッ太

Re:将棋界の一番長い日

2009/03/04 13:14

 深浦さんはまたしても・・・でしたね。  「タイトルホルダーが降級したことはない!」と紹介が入った時はイヤな予感がしたんですが、それが現実になってしまいましたね。  HPをチェックしてみたんですが、勝率は全プロ棋士の中でもベスト5に入るほどの実力者。将棋界に七不思議があるなら間違いなくその一つに数えられるでしょう。  それにしても、ここ数年は4勝しても降級の可能性があるくらいに接戦になっているので、順位戦を巡るドラマはまだまだ続きそうな気がします。

Re:将棋界の一番長い日

2009/03/04 14:27

胸を撫で下ろしている一人です(笑 以前はBSが見られる環境だったのですが… 現在は見られないので、某掲示板で、 字面だけでの観戦(とは云わないだろ~な)です。 見る人の事を考えると解説は、 先崎八段が面白くて良いのです。 本人もTVに出るのは嫌いじゃないだろうし… まあ、個人的には早くA級に戻って欲しいのですが。 将棋ネタに思わず反応しました~♪

kaz8

Re:将棋界の一番長い日

2009/03/04 17:57

将棋については詳しいことはよく分かりませんが、そもそも、渡辺竜王自身、サッカーにたとえれば「天皇杯5連覇を達成した強豪なのに、未だにJ1に昇格したことのない」ということになりますよね。順位戦のシビアさは半端じゃないですね。一二三さんはどうなったかなぁ…

たじ

Re:将棋界の一番長い日

2009/03/05 12:21

>フラッ太さん 深浦王位はB1では別格な実力者だと思うんですが、なんでA級だけだめなんでしょうかねぇ また一期で復帰して欲しいですね >千さん 谷川九段にはまだまだA級で頑張ってほしいです。 昔と違い、ネットでも将棋の生観戦が出来るようになったというのは将棋ファンにとっては便利な世の中になったって気がしますね。 >kaz8さん 渡辺竜王は本当に不思議な存在です。実力者の一人なのは間違いないのですが・・・ 加藤一二三九段は69歳でまだ現役、B2で現在2勝7敗、来期は降級だと思いますが、名物棋士としてずっと長く現役をつづけてほしいですね

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