コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2019年08月20日

〜進化〜 ミシャ・コンサ研究その(7)と少し第23節点検

昨日、完全オフ日明けの週開始日・火曜は、前回・前々回ブログで点検の通り、
選手は、
「前節試合課題点の把握・修復」+「基本戦術の技術・戦術のエクササイズメニュー」
監督・スタッフは、
次戦・FC東京戦への今週トレーニングメニュー策定のため、
「FC東京現況と特徴把握」「その試合対策」「そのための今週トレーニングメニュー」を朝一ミーテイングで協議・決定、
との内容となります。

しかし、各種マスコミ・解説者リリースの通り、コンサ前節の「課題点・修正」は皆無で、そのため、
本日・火曜トレーニングエクササイズは、
「基本戦術の徹底・より進化=スピード・精度を、認識・判断・プレイで上昇させる」もののみ・「60分・2-3-4分単位のレスト入り・少人数単目的メニュー」でしょう。
しかし、<大勝利の後ののんびりムードは、サブ選手のスタメン入りハードトライ・アタックで吹き飛ばし、激しいスタメン争奪戦と出来るか>が注目点・期待点です。
サブ選手の激しく・果敢な取り組みがあれば、主力起用選手が持った「自信」が「過信」に変化する事を阻止してくれますね。

さて本ブログのテーマに。
本日は、少しだけ第23節点検ミシャ・コンサ研究(7)、です。
1.まずは、少しだけ第23節点検
コンサの驚異的な試合データです。
(1)リーグ随一の「走行距離」~コンサ111.01km-No.2は松本109.9kmで、110km台も無く、圧倒的な「走力」
 常々、社長もミシャも、コンサの立地条件のウィークポイントの一つが「本州以南よりも低い平均気温」で、トレーニング環境と実戦での環境との差が、コンサフィジカル低下=走力・プレー切れ・スピードの低下との懸念がコメントされますが、前節の実態は、真逆の結果です。この意味は、➀トレーニング・フィジカルコントロールの成功➁コンサが保有する基礎走力能力が、リーグレベルを超えた、とのどちらか、又は、その両方を証明しています。
➁の「基礎走力能力」かどうかは、各試合の実績値から確認できますが、ここまでの平均走行距離からは、コンサは、横浜-大分-湘南-コンサと第4位で、リーグレベルを超えたまでではありません。しかし、第22節1位-第21節3位-第20節1位とここ4試合、連続1位で「現況能力が一段改善・上昇」した事を証明しています。
答えは、➀➁両方とも、が正解で、リーグ随一の「走力」として、強力なストロングポイント獲得・入手となった訳です。
(2)リーグ上位の「決定機構築ゲームメイク力」
 こちらも、社長が最近のコンサストロングポイントとして強調している「決定機・ゲームメイク力」が、断トツです。
「30m侵入数(攻撃回数)がどれだけシュートに繋がったか」=30m侵入数/シュート数、との数値;決定機構築力、を見ると、
湘南1.43回~松本・C大阪1.53回~鳥栖1.6回~第5位コンサ1.93回(2回の攻撃毎に1本のシュートとの割合)~リーグ平均3.38回、上位陣の鹿島6.0回・FC東京5.82回・川崎5.0回・横浜FM4.6回・広島13回と、「極度に非効率なゲームメイク・決定機構築力と、<上位チームへ付け入る隙>部分です。
(3)リーグ随一の「シュート決定力」
 ミシャも社長も、嘆きに嘆いていた、コンサ重大課題だった「シュート決定力」は、今シーズン・リーグ全体でも驚異的・特異な「決定力・50%」達成を果たし、その結果は、「記憶と記録的快挙の衝撃的獲得得点」となりました。上記(2)と連動させると、コンサは、<攻撃約4(3.8)回毎に1得点獲得>と、今シーズン・リーグ最高高率得点力を獲得したものでした。
その原因こそが、「より相手ゴール近くまで侵入・突破した決定機でのシュート」にあり、その証明数値が、「PA内シュート率68.8%・PA内シュート数11本」です。PA内シュート率は、今節リーグ6位ですが、毎節・上位に定着し、「より相手ゴール近くからのシュート機会=相手DF最終ライン裏のGK1:1のシュートポイント」をチーム戦術としており、多くのチームが実践する「PA外ミドル・ロングシュート」戦術はありません。良く議論・コメントで続出する「相手DFラインをより、吊り上げ、最終ラインを上げさせ、裏のスペースを作る」目的で、捨て「ロングシュート」を撃つとの戦術は、未だに通用してそうですが、古く・過去の戦術として、最新・最先端戦術には最早なく、過去・旧型戦術です。現代サッカーでは「非効率プレー排除の原則」から、「フリーランニング」等の戦術上必要プレーとの混同はしっかり峻別され、コンサのミシャ戦術ではあり得ず、より侵入・突破を徹底する訳です。
今シーズンのここまでの大きな改善点の一つが、この「PA内シュート率~より相手ゴールに近づく決定機・シュートポイント構築」で、完全に保有戦術・レベル能力です。そして、そのリーグ随一の「侵入・突破、より相手ゴール近くからのシュート」を、沈着冷静にプレーする事こそが「リーグ随一決定力」を掴める道・方法です。そこには「名選手・超然能力は不要、普通の選手が最高レベル決定力を保有」となります。敢えて選手の必要能力を挙げるとすると「正しく素早い判断と冷静にプレーする
能力」とのプロ選手としては普通レベル?です。

このように、今節のコンサは、どのチームとも「桁違い・別レベル能力」を証明し、<次節での再現の有無が、リーグ最大注視・注目点>となった、「リーグへ激震」を与えた試合内容だったという事でした!!

2.ミシャ・コンサ研究~その7~ポジション概念とコンバート・レジスタ(司令塔)
 現代サッカーでの「ポジション概念」は流動化し、その位置取り・役割は多様化し、ポジションコンバートではなく「ポリバレント」との「多様なプレイと能力」が当たり前となって久しい現状で、<ポジション⇒タスク>とのパラダイムシフトがその意味と謂われます。
ポジションの現代版要因は、
 ➀選手自身の資質・特徴・・ポジションの解釈(=どんなプレイができるか)を決める決定要因
 ➁監督が想定するゲームモデル・・チーム全体の戦術とプレイを規定する要因
の2つに集約されます。
つまり、<ミシャの想定したゲームモデルを、実現できる選手が、その位置で・そのタスクを実現する>という事で、そのポジション名称は意味なく、使用もしない、という事です。
最新戦術のミシャ・コンサ戦術では、その現代シフトが流れている訳です。

実際、
攻守局面で、異なる”ポジション”で起用される選手の要件は、
ポジションに必要なフィジカル能力が、第一要件、
次に、
テクニカルな資質を有する事が第二要件ですが、
ポイントは、
フィジカル能力が、戦術的インテリジェンスが優れいるよりも重要、という事です。
どんなに優れたテクニック・インテリジェンスを有していても、必要な運動量やスピード・俊敏性が無ければ、そのプレー自体の機会・局面も訪れず、無用となるとの厳しいタスクであるという事で、「ベテラン・中堅層」で、困難となる場合が多い理由です。
ミシャ・コンサも、その要件を超えられた選手が現存、困難な選手は「流失・離脱」となった大きな理由でした。
そんな中、注目ポジションは、沢山有りますね。例えば、サイドは、ミシャ・コンサ戦術では、最前線・5トップのアタッカー、最終盤・5バックの守備陣、サイド突破のウィンガー・アタッカー、相手サイド攻撃をハードマークとサイドへボールを追いやりボール奪取の中盤守備陣、これでも4ポジションでのタスクが有り、選手毎の特徴から、得意分野と課題分野は出ますが、絶対要件が、最前線から最終盤までを間断なく、真摯に、走り続けるフィジカルと走力、精度とスピードのある把握と判断を持続する力で、その要件をクリアーする選手は限られますね。白井、菅が、スタメン起用の理由もここにありますが、ルーカスはフィジカル、中野は認識と判断、早坂はフィジカルで、両選手を超えていないとの現状と言う事だと想定します。
さて、本ブログでは、特に「司令塔」について考察したみたいと思います。

「司令塔」は、戦術進化と共に、呼び名、ポジション、タスクが変動しました。
司令塔の呼び名は、「レジスタ・ゲームメイカー」と呼ばれ、
かつては、「10番」攻撃的MFの代名詞~プラティニ・マラドーナ
 ↓
中盤の「レジスタ」~ピエロ<元トップ下プレーヤーが下がって>
 ↓
現代は「CB・GK」までポジション低下が進行しています。
ミシャ・コンサ戦術でも、
「CB」に「ビルドアップ能力」が重視・求められます。
3バック・スタイルでは、左右に開く「CB」に、
4バック・スタイルでは、外に開く「CB」又は「SB」に、求められますが、
本来、「CB」には、「高さと強さ」が求められ、その両立となる
<大きくて・強くて・速くて・巧いCBは、世界でも10人もいない>のが現実です。
そのため、
3バック・システムでは、
「守備」での「数的優位を作り、密度を高められる」分、4バックシステムでの「2CB」よりも「守備資質は求められず」、その分、「ビルドアップ能力」が優れたDFを起用できる事となります。
そこで、
ビルドアップ能力<正確なパスを・正しいタイミングで・正しい方向に出す>
       +
<目前にスペースがあれば、ドリブルで持ち上がり、第1プレッシャーラインを超えて、中盤に数的優位を作り出す>との能力・プレイを持つDFを「司令塔」とする訳です。
と同時に、この戦術でのリスクである、最終ライン後方の広大スペースカバーのためには、<相手FWに負けないスピードのDF>が必要となります。
「デカくて強いだけのCBは、最早、古典型CB」の烙印が押される訳です。
ミシャ・コンサ戦術でのCBが「ミンテ・福森・進藤」+システム可変で「宮澤」となる理由です。(・・現時点では、深井が「アンカー」残りが原則となる理由でもありますね。今後の深井の「司令塔能力」の成長次第ですね。)

こんな最新戦術「司令塔型CB」戦術を選択しないチームの典型が、
「堅守・速攻」で、<最終ラインを低く設定し、ボールを相手に委ね、堅守速攻を徹底>するチームでは、「テクニックの無い、純粋なストッパーでも、機能・不可欠な存在」となりますが、今や、「残留を唯一の目標にするような下位チーム」にしか当て嵌まらない、現状が迫っています。
その結果、「セントラルMFのCBコンバート」が流行・現代サッカー動向と謂われます。
そして、ミシャ・コンサ戦術では、システム可変局面で、ボランチのCBポジション化として「宮澤・深井」がCBポジションで「現代版CB」タスクを実施・プレイしますね。(原則、宮澤CBポジション・司令塔、深井アンカーポジション残りは前述のとおり)

ミシャ・コンサ戦術では、CBポジション司令塔に加えて、「SBポジション司令塔」戦術の展開されます。この2ポジション司令塔化は、相手の「前線から守備・ゲイムメイク阻止」戦術に対して「司令塔のターゲット分散」となり、クリーン・ビルドアップを促進する戦術となります。
本来、4バック・スタイルで、「SBのレジスタ・司令塔」戦術がありますが、ミシャ・コンサ戦術でのシステム可変局面で、福森・進藤は「偽SB」戦術を採り、攻撃での「司令塔・レジスタ」と守備での「逆カウンター・アンカー脇守備」戦術をプレイ・実践します。
「SBポジション司令塔」戦術でのプレイ基準;➀自陣からのビルドアップ➁ミドルサードでのポゼッション確立に積極関与を、ミシャ・コンサ戦術での「福森・進藤」が担当し、「ゲームメイク起点」と謂われる所以ですね。

別視点から、「レジスタ・司令塔」選手育成は、チームの重要課題ですが、
「レジスタ・司令塔」の最適要件は、「際立った特徴のスペシャリストよりも、幅広いタスクが出来るオールランダー」で、具体的には「高いテクニックを持つ攻撃型プレーMFを、守備局面でも機能するように鍛える」との手法となり、「そんな攻撃型MFを、スペースとプレッシャーが少ない下がり目位置で使い、レジスタ・司令塔として機能させ、同時に、守備タスクでもこなせる様に強化する」との育成方針となります。ミシャ・コンサで、完全符合の選手が思い当たりますね。<藤村>がその育成の真っただ中ですね!!

いかがでしょうか。
ミシャ・コンサ戦術を、現代・最新戦術動向による点検してみましたが、その最新性・新進性・斬新性、その戦術威力にあらためて、感嘆・感心してしまいますね。

<リーグ随一の最先端・最新戦術>の追及であり、その完成レベルの進歩が、戦績上昇・順位リーグポジション上昇・戦術によるリーグ制覇に直結する「進化」、とのサッカー概念・価値観変動も起こし兼ねない、凄いチーム挑戦である事を、しっかり認識し、その進化促進へのサポートに邁進したいと思うものです。


posted by yuukun0617 |20:16 |