コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2017年12月11日

~進化~2018シーズンへの展望④~ミシャ監督流点検その②

前ブログの続編
~進化~2018シーズンへの展望④~ミシャ監督流点検その②です。
「ミシャ流・ミシャ戦術・ミシャ式」の概略を再掲載し、その具体的な内容の点検を。
~再掲載~
【目指すサッカースタイル】
①攻撃的サッカー・守備にリスクを掛けてまで行う「攻撃型サッカー」
②GK・DFからパスを繋ぐ「モダンサッカー」
③オシムと同じコンセプト「考えて走るサッカー」
④「仕事」との表現の「相手に合わせた守備的サッカー」も使用
【特殊型戦術】
⑤「可変DFライン」・・登録はDF3人・3バック、状況により2バック・4バック・5バックとDFライン枚数が可変。DFライン構成ポジションも可変。--「考えて走るサッカー」を選手が消化し、選手間コミュニケーションの中で、発見・産出の戦術
⑥「5トップ」・・登録は1トップ・2シャドー、攻撃時は、+両サイドWG=5人。--ミシャアイデア+選手間コミュニケーションで産まれた戦術。

1.基本戦術の考え方
根本の戦術目的(狙い)は、【攻守共に、数的優位を作り優勢とする】との考え方です。
そのための方法論・メソッドが独創的な「ミシャ独自戦術」という事です。
基本システムは、コンサと同一「3-4-2-1」で、試合開始時スタイルです。しかし、守備時と攻撃時でシステムが変化するというもので、コンサを初め、どのチームでも変化は起きるものですが、その変化の多彩さとポジションを大きく変えるものに独自性があるものです。
コンサの「3-4-2-1」システムと基本型は同一のため、同系列戦術となりますが、その相違点も確認しつつ、
【特殊戦術】の⑤「可変DFライン」⑥「5トップ」を具体的に点検してみます。

2.守備時
基本システム「3-4-2-1」がそのまま守備体型となり、コンサと類似システム・戦術です。
A.基本形 「3-4-2-1」    
          CF
      SH      SH
    WB  DH  DH  WB
       CB CB CB
          GK  ・・コンサと同型。
B.守備時陣形「5-4-1」
          CF 
     SH DH  DH SH
    WB CB CB CB WB  
          GK  ・・SHのポジションがコンサよりも低下
                コンサも強力攻撃に対すると同型。

 これは、中盤~DFラインで、相手と数的優位・同数で「ゾーン」ディフェンスの「ブロック守備」の「堅守」を構築する狙いです。
 具体的なマッチアップ図「対4-4-2」を例示します。(以下対戦相手)
          GK

       CB    CB
          CF
   SB   DH  DH   SB
   SH   DH  DH   SH
     SH FW  FW SH
   WB  CB CB CB  WB
          GK
    1列目・・1:2 2CBの内ボールホルダー・供給元のみマーク
    2列目・・4:4 同数で完全マッチアップ
    3列目・・5:4 最終ラインで数的優位
          
 ボールを奪われた場合、
 a.パターン・・無理にボールを奪いに行くのでは無く、まずりトリート(想定のポジション取り)し、「5-4-1」のブロック守備形成しゾーンに侵入した相手のみに対しボール奪取を図るもの。基本形です。
 b.バターン・・前線付近でボール喪失の場合、前線に進出選手で数的優位でのボール奪取を図り、ショートカウンターを仕掛けるもの。こちらは、外された場合、大カウンターリスク・失点に直結し兼ねず、状況次第。

 「堅守」の守備戦術で、「強力攻撃力チームにも効果が高く、失点減少」を狙えるもの。コンサとの最大の相違点は、「選手の戦術理解・消化度」で、迷い無く統一戦術を実践し、結果、高い戦術効果としている点ですね。
この戦術は、コンサ現行戦術と違和感・相違点も少なく、十分高い実践度を今すぐにでも可能ですね!!2017戦術の基本継承部分!!

3.攻撃時
ミシャ流の2大【特殊戦術】は、どちらも、攻撃時のものです。
⑥「5トップ戦術」から派生して⑤「可変システム戦術」が産まれました。

⑥「5トップ戦術」とは、
試合登録上は、FW1人+SH(シャドー)2人ですが、この3人に両サイドMFを加えた5人が前線に出て、
相手DFラインに張り付き、ポストプレー・飛び出しによる流動性・パス交換で、ギャップ・マークずれを付く戦術です。
 例示します。
A.4バック対戦
           GK
      SB CB  CB SB
    WB  SH CF SH  WB
        DH DH DH
     SH FW FW SH        
      CB  DH CB  CB
 
 1列目・・前線ラインに5選手が並び、5:4の数的優位で突破狙い
 具体的には、
・相手LSB:RWB、相手LCB:RSH、相手RCB:CFとマッチアップすると、相手RSB:LSH+LWBの1:2となり、ワンツーパス・フリックパス等で左SB脇・裏スペースへ突破侵入し、ペナルティーエリアで決定機。
・相手マンマークの場合は、例えばCFがバックしCB1人を引き出し、そのギャップで敵ゴール前にスペースエリアを作り出し、SHが侵入し決定機。
・相手ゴール前をゾーンで守備のため、相手SBがアタック・ボール奪取に来ない場合は、両サイドを深く抉り、ラストクロスパスで決定機。
など、サイド・中央で、自在に決定機を作り出せる戦術です。

B.3バック=5バック対戦
結論を先に。相手と同数となり、選手個々でのパフォーマンス・能力による打開が重要となります。また、攻撃スピードで相手陣形が完備する前の速攻とセットプレーが勝敗ポイントとなります。
         GK
  SB  CB CB CB  SB
  WB  SH CF SH  WB
    SH DH  DH SH
  CB  DH CF DH  CB
         CB 
         GK 
 1列目・・同数の5:5。
・しかし、前線選手個々のテクニック・独創性・強さ・高さ・賢さで、同数を一局面やエリアで、数的優位やギャップを作り、同数・マッチアップを打破します。

しかし、A.B.どちらも、リスク・欠点を内在し、実際、ミシャ式を当初採用し、圧倒的な大勝と共に、カウンターによる失点多発で、修正が必要となりました。
リスクには、
サイドチェンジの際、攻撃参加DH1人のみでのパス廻しは、ターゲットが絞られ、パスカットを狙われ易く、その回避として、DFラインを上昇させ、サイドチェンジ・縦パス・スルーパスのパス交換元・底を、DFラインとし、パス元を複数化・補強し、パスカットターゲットの集中・ボールロストを改善させるもの。しかし、その分、攻撃時の高いDFライン設定が必要で、一旦ボール喪失・ロストでのカウンターリスクは増大し、その結果「多得点とはなり得るも、多失点での打ち合い勝負」となるものです。
この対策として、ミシャのアイデア+選手間コミュニケーションにより生み出した戦術が、

⑤「可変システム・可変DFライン戦術」です。

「ミシャ流・戦術」が複雑・選手が理解・消化に時間がかかるとされる部分ですね。 できるだけ簡潔に。
攻撃時システムで、~既に対戦システム図に記載済み~
システム図は、

C.攻撃時当初は、    
   WB SH CF SH WB
         DH
    CB DH  CB CB
         GK     
              となります。
   異様なシステムの部分は
   ㋐「4-1-5」システム(5-1-4ではありません)
    攻撃5枚-攻守の繋ぎ1枚-守備4枚の超攻撃バランスシステム
   ㋑DFラインに「DH1枚」がスライド下降し4枚。
    2ボランチの内、横スライドし「1アンカー」
    アンカーが攻撃パス交換の底で、サイドチェンジの繋ぎ役と縦パス元
    3枚目の左右CBから、対角線のWBへのピンポイントフィードも。

  相手との対戦図を再掲載。 
           GK
      SB CB  CB SB
    WB  SH CF SH  WB
        DH DH DH
     SH FW FW SH        
      CB DH  CB  CB
           GK
   相手が自陣へ帰陣前で、
   相手攻撃陣4枚VSDHのスライド下降の4枚の同数で、
   ゾーンも、マンマークも可能で、カウンターリスク防止。
   DHによるシステム変更がなければ、3:4の数的不利で突破リスク。
D.攻撃時継続状態(攻め続ける時間帯)は、更に
    WB SH CF SH WB
    CB        CB
      DH DH CB 
         GK
              に変化します。
    システム特徴は
    ㋒「5-2-3」と更に異様なシステム
     Cの3列目に居た左右CBが1列上昇、その代替で
     Cの2列目の1アンカーのDHがスライド下降しDFライン
     となり、3バックDFラインを形成し、
     ・カウンターリスク防御ライン
     ・ロストボール回収、パス交換元・底となります。
    ㋓上昇した左右CBも攻撃参加で攻撃枚数を7枚とし、
     自陣に引いた相手ブロック守備の打開を狙います。

この、→C.→D.さらに、守備時へ攻守切り替え時→A.かB.へのシステム変化を「可変DFライン・システム戦術」と呼ぶ訳です。
攻撃時に2段階、守備時、基本型(スタート時)の4システムの使い分けとなりますが、コンサでも、状況設定毎明確な統一規則・手順で、全選手が正しく理解・消化し、実践のため反復練習により徹底されれば、試合実戦では、活発な選手間コミュニケーション(指示・相互確認)での支援・サポートをバックボーンで、十分可能な戦術ですね。
明確なプレイ想定は、選手のプレイ予測力を上昇させ、より素早いポジショニングとの大効果も産み出しそうです。

4.ミシャ流・ミシャ戦術実施の留意点

以上、簡単に、基本・守備・攻撃の局面ごと「可変戦術」を点検しましたが、この中でも、重要な必要点や影響点が幾つか想定されて来ます。

E.選手必要能力(適正ポジション能力)
・全選手「オシム流考えて走る能力」が大前提です。
「WB」・・前線~DFライン間で、激しい上下動量と到達スピード=スプリント力が必須条件。前線5トップのため、サイド突破・飛び出し力、サイドから高精度・強く速いクロスパス能力、ドリブル突破力、サイドからゴールエリアへの侵入力とパス・シュート力、最後に粘り強いボール奪取力と、フィジカル・テクニック・ヘッドワークの3拍子が揃った「優秀選手」が必要です。
 【コンサの現戦力;総合力順には、早坂-ジュリーニョ-石川-菅-田中ですが、合格レベル選手はいません。早坂・ジュリーニョ・石川が「スピード=突破力」部分のみ不足で、2017~2018での最大補強ポイントの所以・理由ですね。】
「DH」・・クレバーに、状況・局面ごとポジション変化対応が出来る事が前提で、豊富な運動量・高いボール奪取力の守備力と「アンカー・DFライン」のどちらでもパス供給元としてゲームメイカーの判断力・高精度フィード・パス能力・キャプテンシーとコミュニケーション力が必要です。
 【コンサの現戦力;DFラインへ第1変更は宮澤・稲本が適任、アンカー役で第2変更は兵藤・深井・菊地が適任。補強必要性は2次ポイント】
「CB」・・DH同様、局面ごとポジション変更が出来る事を前提とされ、パス供給元としてゲームメイカーの判断力・高精度フィード・パス能力が必要。
 【コンサの現戦力;サイドへ流れる変化力の点では河合は困難。システム変化とパス能力・本来のDF守備力は、横山・菊地・ミンテは可能、進藤はややレベルダウン。バックアップとして、2名補強ポイント】
「CF・SH」・・前線でのポスト役・相手DFの引き出しや飛び出しなどのギャップ・マークずれを作る能力・スルーパス・ラストパス力・シュート力・シュート決定力で、カウンター力も高い選手。
 【コンサの現戦力;都倉・ジェイ・ヘイスの3拍子選手、チャナティップ・小野の創造性とテクニックでケームメイクとラストパスなど決定機メイカー、飛び出し力の内村・荒野までは十分。守備型FWやスピードを欠く選手は無理。追加の補強は第3次レベル】

F.相手チームの対抗策

結論から言うと、決定的な対抗戦術は未だ発見できていません。Jリーグに登場してから、11年間となり未だ「リーグに莫大な影響を与え続けている」優秀な戦術です。
唯一、有効対策とされていのが,
「完全同型システムのミラーゲーム」戦術の対抗策です。
しかし、「試合は潰し合い・膠着状態で、引き分け続出」と、「勝ち点1のみ」の単純手段しかありません。
ただ、今シーズンの浦和や広島でも発生の「キー選手に集中起用」による「選手故障・コンディション低下離脱」と「優秀選手の移籍・流失」との「戦術理解の中核選手の喪失」は、致命的なダメージとなります。つまり、戦術実践度の急低下となり、「リスク要因のカウンターによる大量失点」で敗戦続出となります。しかし、これは、「SUB選手のレベルアップ・育成」と「コンディション調整」「選手流失防止・阻止」で回避出来るものですね。

以上 「ミシャ流・ミシャ戦術・ミシャ式」を点検してみました。あらためて、この戦術を前提に、現選手、コーチ陣、新規獲得交渉を見てみると、大きく異なる結論や方向性が見えて来ます。今後も、もっと理解を深め、新コンサ構築へ向かいたいですね。

     
     
           

 

posted by yuukun0617 |00:23 |