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2008年11月18日

コーチの言うことだけ聞いていたら良い選手にはなれない。

15日に書いたGK。へのコメントで、
選手が成長しないのは、コーチのせいではないかというのをもらった。
確かに、指導者の選手への影響力は強いと思う。

しかし、私は、コーチの言うことだけを聞いていたら良い選手にはなれないと思っている。


以前、迷いのある選手へでも、指摘したが、
コーチが言うことは、人によって違うように聞こえる場合があるし、
場合によっては、真逆のことを言っている時もあるだろう。

大事なことは、自分で考えることであり、工夫することだと指摘した。


また、コーチが間違った指導をしている可能性もある。
素直な選手が多い札幌では、それによって自分の良さを失っている場合もあるかもしれない。

例えば、蹴球計画 ~スペインサッカーニュース~で、
正しいインサイドキックについて指摘している。
正しいインサイドキックとは ~まとめ その1~
正しいインサイドキックとは ~まとめ その2~

この批判の根底には、日本でよく見られる膝下を固定して押し出すように蹴る
パター型のインサイドキックは、サッカーをする上でまったく役に立たない、無駄な技術である。
という考えがあるのだが、私はこの指摘は間違っていないと思う。

なぜなら、私の場合は空手に置き換えて解説するが、いくら威力があったとしても、
バレバレの大振りのモーションの蹴りや突きをいくら練習したところで意味はない。
シャアではないが、当たらなければどうということはないからだ。
モーションが大きいというのは、実戦において何の意味もない。

サッカーでいうなら、パスを出す先がすぐばれてしまうような蹴り方をいくら練習しても仕方がない。
プレッシャーの無いところでパター型の蹴り方をすればいいという人が居るかもしれないが、
プレッシャーの無いところなら、正直、どんな蹴り方をしても大差はない。
だから、パター型のインサイドキックを敢えて練習する必要はないといえる。


また、その動作後に、大きくバランスを崩すというのも問題だ。
これは想像以上に致命的だ。なぜなら、動作後すぐに動けないからだ。
これは相手に付け入る隙を自ら与えているようなものである。
サッカーにおいても、攻守でちょっとした出足の遅れが致命的になる場合がある。


従って、武道から考えても、パターのように蹴るインサイドキックは間違いであるといえる。


このように一見理に適っているように見えるが、実はよく考えると間違っている言説が、
大手を振って歩いている場合がある。
だから、コーチの言うことがすべて正しいなどとは思わないほうが良い。
天邪鬼になれということでもないのだが・・・(笑)

確かに、素直というのは一つの素質なのだが、常識を疑う必要もある。
しっかり自分の頭で理解して、その後、実際にやってみて判断することが必要だ。
場合によっては、指導せず考えさせることがその選手にとって良い場合もあるだろう。
よい意味で、周囲の期待を裏切っていかないと良い選手にはなれない。


我々の普通の生活の中でも、私が~できないのは、あの人のせいだというのをよく聞くが、
それを言い訳にしても、本人にとっていいことは何もない。

確かに、日本人は、この手の思考力に欠ける傾向はあって、指導者の影響力は強い。
しかし、大事なことは、自分で考えることだ。
そして、四六時中、選手はサッカーのことだけを考えられるという羨ましい状況にある。
自分でいくらでも上手くなれる可能性はあると私は思う。

プロなのだから、自分の生活がかかっている。
そして、それを他人のせいにしたところで飯を喰えるわけではない。
だから、選手たちが実際どう思っているのかはわからないが、
例えそうであったとしても指導者を言い訳にして欲しくない。

posted by whiteowl |15:27 | 武道から考えるサッカー | コメント(8) | トラックバック(1)