2008年10月15日
勝ちきれない理由は、攻撃か守備か
中国の兵家、孫子はその有名な兵法書の中で、 かの有名な「己を知り、敵を知れば百戦危うからず。」と書いている。 この続きは、自分と敵のどちらかしか知らなければ、勝率は半分に。 どちらも知らなければ、勝てないと書いてある。 今の勝てない札幌に対して、勝ちきれない理由は攻撃にあるのか守備にあるのか。 月曜深夜の「Eスポーツ」の野々村さんと「Fの炎」の平川さん、 札幌のご意見番の二人が、札幌の現状打破に対して対照的なコメントをしていた。 要約するなら、野々村さんは、バランスを崩して得点を取るために 攻撃しているので最後の所で守備が崩壊して勝ちきれないとし、 平川さんは、勝ちきれないのは攻撃のせいだという。 確かに、点数を取らねば勝てないが、今の札幌は得点不足で勝てないわけではない。 それは、J1でぶっちぎりの最多失点58(17位は緑と千葉の43)と 得点32は全体の12位(最下位は大宮の28)というデータを見ても明らかで、 攻撃に問題がないとは思わないが、少なくともガンバ相手に3点とっても 勝ちきれないという守備の脆さにあると考えるのが妥当だろう。 例えば、バイタルエリア -第27節 FC東京戦-でも指摘したが、 勝ちに行って全体的に前がかりになり、バイタルエリアを空けるなど 布陣のバランスを悪くして失点することが多い。 したがって、私は守備というか、原因は攻守のバランスが悪いことにあると思うので、 野々村さんの意見を支持したい。 しかし、ある程度こうなることは想定できたはずだ。 以前書いたホーム勝点3では生ぬるい。でも書いたが、 昨季からの札幌の戦い方は、自分から攻めるという形に向いていないことを指摘した。 自陣のスペースを消し相手にボールを支配されても攻撃の糸口を与えず、 ボールを奪ってカウンターで1点をとり、後はリスクをかけずに守りきるという戦法だからだ。 それが、どうしても勝ちに行くために自らの勝ちパターンを崩してしまえば、 リスクはより大きなものになる。 これは日本代表戦に対してだが、金子さんがいうように、一般的に UAE戦 偵察隊に見せつつ隠せ【金子達仁】2008年10月09日 >自分たちよりやや力の落ちる相手が、負けないためにではなく勝つために >ぶつかってくるシチュエーションは、本来であれば、もっとも大差のつきやすい試合である。 今のように自らリスクをおかして攻めるというスタイルは今の札幌に向いていない。 上手く前半戦で勝点を積み上げられず、こういう状況に自ら追い込んでしまい、 昨季の勝ちパターンに持ち込めないことが更に厳しい結果を招いている。 したがって、繰り返すが、私は攻撃に課題があるというよりも、 攻守のバランスの問題だと思う。 これ以上、攻撃に偏重してもその隙(スペース)を突かれて失点するだけだ。 がむしゃらに行っても勝てなかったのだから、この中断期間で ちょっと落ち着いて攻守のバランスを取り戻して欲しいと思う。 勝てない札幌は、まず己を知ることが必要ではないか。
posted by whiteowl |13:29 | Consadole Sapporo | コメント(4) | トラックバック(1)