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2006年05月09日

代表v.s.ブルガリア戦

 これまで「どうもW杯に対するモチベーションが上がらない」と言ってきましたが、今日の試合、というより選手達を見て俄然盛り上がってきました。以下、雑感。

【以前から懐いていた懸念に対する答え】
 昨年の11月・アンゴラ戦のレビューで「1TOPの相手にどういう守り方をするのか」という問題に触れました。その時想定していたシャドーストライカーを置く布陣とは異なり、今日の相手・ブルガリアは1TOPに両サイドがワイドに開くという布陣でしたが。ともかくDF陣の対応には良い面と悪い面両方が出たと思います。

 まず悪い面ですが、もちろん開始1分の失点の場面。
 中央は相手FW一人に3バックがそのまま残る形で、相手右サイドに渡った時点で中澤と村井の間に大きなギャップがありました。難しいところですが、ボールが渡る前には中澤は出ていけなかったでしょうね。村井に声をかけてポジションを修正させるべきだったと思います。そしてクロスに飛び込んだのは多分逆サイドの選手だと思うのですが、あれだけ大きく振られると田中誠もついていくのは厳しかったのかなと思います。
 この失点以外は、宮本がDFラインを高く保ち上手く応対していたと思います。とりわけ4バックになってからは、FWに縦に入るボールに対して中澤よりも宮本が積極的に勝負できていました。「1TOPに対しては決まった人間がつかずに、近い方がつぶしに行く」という守り方が上手く行っていたようです。本番でも宮本が恐れずにチャレンジできればある程度守れるのではないでしょうか。池内には彼の「ボールが来る前の準備」を見習ってもらいたい。

【選手個々の評価】

  • 中澤。本調子にはもう少し掛かるでしょうか。中途半端な守備が少々。ボール回し、あんなに下手だったか?
  • 玉田。GW中の名古屋の試合を見る機会があったのですが、その時には正直空回りしていて、「これは厳しいぞ」と思っていたのですが、今日は別人のよう。良くボールに触っていました。前を向く速さと思い切りの良さはさすがですね。今日ばかりはジーコの慧眼に脱帽。ただ、何度も訪れた得点機会を逃していたことがどう評価されるか、です。
  • 巻。この選手には本当に頭が下がります。得点の場面、アレックスのボールも素晴らしかったのですが、前のDFがクリアする確率も高かった。それでもしっかりコースに入っていたからこそ生まれたゴールです。常にサボらずにプレーしていた彼に対する最高の報酬でした。
  • 村井。右サイドの加地が自重していた分、彼の所で何度もチャンスが出来ていました。良いクロスを供給しており、素晴らしいプレーだったと思います。心の底から軽傷であることを祈ります。

 失点の時間帯が1分・89分と最悪であったことも含め、まだチームとしての課題は山積みですが、個々の選手は力を発揮していたように思います。「あの時ああしていれば」という後悔を残さないよう、あと一試合戦い、15日の発表を迎えて欲しいものです。

posted by tottomi |21:56 | サッカー全般 | コメント(2) | トラックバック(1)

2006年05月08日

もう一つの「聖地」-甲子園巡礼(2)

 試合開始まで時間があったので、外周を一回りしました。

 バックスクリーン裏には「タイガース博物館」があります。入場は無料。甲子園球場・タイガースに関する資料が展示されています。ベーブ・ルース来日時の広告や、江夏・田淵・バース・掛布のユニフォームなど、ファンには垂涎モノのお宝が並んでいました。が、私の興味を引いたのは、創立30周年の時に当時のナインが寄せ書きをした記念の大皿です。日付は「1964年」…。40年前に30周年、歴史の重みというヤツでしょうか。


【甲子園の甲子園たるゆえん】
 私が勝手に決めた「甲子園球場三大名物」について。
 まず「銀傘」。雨よけのみならず、拍手・歓声を球場に響き渡らせることで演出に一役も二役も買っている屋根ですが、実は昭和初期にはアルプススタンドまで覆っていました。しかし太平洋戦争の最中、昭和18年(1943)に鉄不足のため軍事用として接収され、同26年(1951)に内野席を覆う現在の形の銀傘が復活しました。同57年にはアルミ合金のものに代えられ、現在に至っています。今回の大改修で、この銀傘も一時撤去され新しいものに取り替えられるようです。
 「アルプススタンド」。高校野球の際に両校の応援団が陣取り、選手に声援を送る場所として有名です。漫画家の岡本一平さんが「ソノスタンドハマタ素敵ニ高ク見エル、アルプススタンドダ、上ノ方ニハ万年雪ガアリサウダ」と朝日新聞に漫画を描いて以来、「アルプススタンド」と呼ばれるようになりました。ココの一番上から球場を見渡すと壮観です。
(写真の左側に見える屋根が「銀傘」、右端が三塁側アルプススタンド)

 「ツタ」。その外観を彩る緑鮮やかなツタは、建設された年の12月に植栽されました。株数約430本(意外と少ない)、葉の面積はタタミ8000畳分。かつてこのツタを切った不届き者がいましたが、改修後ももちろん残されるようです。



 中に入りました。私の席は一塁側内野指定席。札幌の試合で言うとSA席に相当すると考えてよいでしょう。
 野球では一塁側ベンチにホーム、三塁側にビジターのチームが入ります(札幌ドームは例外で逆。他にも例外があった気がしますが…)から、観客もそのように座るわけです。従って外野席も、ライト(ホームベースから見て右・一塁の方向)にホーム、レフトにビジターのチームが入るのですが…

 試合前の巨人ファンの皆さんです。周りに黄色のシャツが見えることからも分かる通り、「囲まれて」います(笑)。これだけだと厚別・ドームでも見られる光景ですが、試合が始まると、レフトの阪神ファンもライトスタンドと同じように声を出してメガホン叩いて応援しますからね。ぐるっと敵に囲まれて、それはそれは恐ろしい燃えるでしょう。



 こちらが阪神ファンの「本隊」。サッカーと違って、練習中から選手を鼓舞するということはなく、選手紹介に合わせて声をあげるという程度です。また、野球の場合、試合が始まってから来る人も多く、プレーボール時に空席が目立つ、というのも至って普通のことです。が、この日はGWにして伝統の一戦。3回ぐらいには満員に近くなっていた気がします。



 試合前にはいくつかイベントが。トラッキー・ラッキーとちびっ子が一緒に踊ったり、スピードガンコンテストが行われていました。スピードガンコンテストの参加者はバックスクリーンに大写しになります。羨ましい(笑


 続きます。


posted by tottomi |22:25 | その他 | トラックバック(0)

2006年05月06日

もう一つの「聖地」-甲子園巡礼(1)


 本来ならば「聖地」厚別でのオープニングゲームに行くところ、前もって決定していた法事のため帰省したGW。せっかく帰るんだから異教徒(野球ファン)の集う「聖地」に、と思い、2日のプロ野球・阪神-巨人戦を見に阪神甲子園球場に行って来ました。問わず語りに観戦記を、阪神甲子園球場にまつわるあれこれを交えながら書いてみたいと思います。長いので何回かに分けて書きます。



【球場の沿革】
 阪神甲子園球場は、大正13年(1923)に「甲子園大運動場」としてオープン。武庫川の支流・枝川が廃川となり、阪神電鉄が旧河川敷開発の一環として建設。竣工の年が十干・十二支のそれぞれ最初である「甲(きのえ)」と「子(ね)」が同時に来る年であったため、付近一帯の地名も含めて「甲子園」と呼ばれるようになったのは有名な話です。外野に芝生が貼られたのは昭和4年(1929)、世界恐慌の年です。昭和10年(1935)、大阪野球倶楽部(通称「大阪タイガース」)が誕生、甲子園球場を本拠地として使用するようになりました。これが現在の阪神タイガースの前身です。以後、プロ野球・高校野球の名勝負を見つめ続けてきた、日本を代表する球場です。


 この度、老朽化のため平成20年にかけて大改修を行うことが決定され、今秋から着工。従って現在の甲子園球場の姿は今年で見納めになります。プロフィールにも書いてある通り、私の実家は甲子園にあり、子供の頃から何度も通ったこの古き良き球場の雰囲気をもう一度味わうべく足を運ぼうと思った次第です。

 さて、家からは歩いて15分ぐらい。距離にすると1㎞程度。昔見た町並みを懐かしみながら徒歩で球場に向かいました。駅付近(もちろん駅名は「甲子園」)に大きなショッピングモールができ、このあたりも随分変わってしまいました。ガキの頃には路面電車も走っていた記憶がありますが、今は跡形もありません。


 ところで、この距離だと家に歓声が聞こえてくるんですね。甲子園では普通、風はライトからレフトへ吹きます。名物の「浜風」というヤツです。南から吹くこの風にのって声が届くわけです。夏場に窓を開けていると、六甲おろしの歌詞までハッキリ聞き取れます。
 父は若い頃巨人ファンだったのでよくテレビで試合を見ていたのですが、横に座っていた私には窓の外から聞こえてくる歓声がテレビよりも遅れて聞こえるのが不思議でなりませんでした。「音は光や電波などよりも届くのが遅い」ということはこの体験で知った気がします。



 左は球場の最寄りの駅。私にとっては高校時代、通学に使っていた駅としての記憶の方が強いです。球場は駅の南側、目と鼻の先。
 この日は試合開始1時間前ぐらいに着いたのですが、客足は上々。満員になりそうです。
 途中には、阪神グッズ(と少しの巨人グッズ)・食べ物などを売る店が並んでいます(写真右)。さながら神宮祭の夜店です。隣にオッサンが座って「何で応援せえへんねん」とかからんできたらマズイと思ってメガホンを購入。使用上の注意に「振り回したりしてはいけない。乱暴な扱いをすると壊れる」とありますが、だぁれも守っていませんでした(笑
 次回へ続く。



posted by tottomi |21:15 | その他 | トラックバック(1)

2006年05月06日

立ち上がり

 水戸戦、1-3で敗れました。

 序盤、押され気味だったという話です。失点の場面をNHKのニュースで見ると、1点目はカウンター気味に走られたアンデルソンを止められず。DFは三人いたように見えましたが、誰もボールにチャレンジできず…。アンデルソンがよくフィニッシュまで持っていきましたよ。でも、防げた失点だよな、きっと。
 2点目はエリア外、左サイドやや角度のないところからニアを破られ失点。加賀が応対していましたが、シュートの瞬間は棒立ち。多分「ニアのコースは切ってある」という意識だったと思うので、ポジショニングのミス。それと足ぐらい出せや。
 3点目は池内のファウルで与えたFKから失点。これはボール、飛び込んだアンデルソンのタイミング、ともに見事でした。強いて言えばファウルがいけなかった、ということになりますが、まあ、やむを得ないでしょうね。攻撃についてはあまり映っていなかったので分かりません。


 今日の結果を受けて生じた、というか確信に近くなった懸念は、「今のチームは先行されると極端に弱い」ということです。「先制点をとられると絶対不利」というのはサッカーのセオリーですが、今のウチにはそのセオリー以上に先制点がとても重いものになっているようです。
 今年のサッカーは何と言っても攻撃力が持ち味。どのチーム相手でもある程度ボールを支配できる中盤の構成力がウリです。長い時間ボールを支配して相手を肉体的にも精神的にも疲れさせる、というのがこれまでの勝ちパターンです。ところが、先制されて守りの体制に入られると、相手としても「ボール保持はあきらめてリードを守ろう」という考えになり、ウチの武器が消されたも同然になる。

 対策としては、引いた相手から得点する術を身につけるしかありません。これまで言われているようにフィニッシュの場面での詰めの甘さを練習で改善するとともに、中盤の選手も積極的にゴールを狙っていく必要があると思います。ミドル、二列目からの飛び出しなどなど。これに加えてセットプレーですね。これだけは引きこもりも何もありませんから、CK・FKを活かすことが大事になってくると思います。

 とまあ、当たり前の対策しかないわけですが、根本的な問題として「とれよ先制点を」と思うわけです。思えば草津・湘南相手に大勝した試合は序盤から押せ押せでした。引き分けたものの徳島戦も15分までは猛攻を仕掛けていました。だいたいぶっちぎる力もないのに立ち上がりからゆったりやって勝てるわけがない。
 悪い流れは自分で断ち切らなきゃいけません。水戸も前節・草津戦のショッキングな敗戦をこうして払拭したわけですから。立ち上がり、積極的にいけよ。

posted by tottomi |20:15 | コンサドーレ | トラックバック(0)

2006年05月04日

順位表と勝ち点に関するちょっとした考察-あるいは楽観的観測

 仙台戦、まずは負けなくてよかった。大塚は右肩を脱臼したようですが、早期の復帰を祈ります(鶴

 実家で試合を見られずイライラして仕方ないので、暇つぶしに一巡目が終わった時点での札幌の「星勘定」についてちょっと整理しておきたいと思います。

 まずは現状。第1クールを終えての順位(暫定。東京V-横浜FCは5/10開催)はこちら。(数字は勝ち点)

  1. 柏  25
  2. 仙台 24
  3. 横浜 22
  4. 東京 21
  5. 湘南 18
  6. 札幌 17
  7. 神戸 16

見ての通り昇格圏内には入っていませんから、そろそろイライラが募ってきた方も多いと思います。ただ、最終的に2位、最悪でも3位に入ればいいわけですから、今の順位にそう悲観的になる必要はないと思います。「勝てばよその結果次第で◯位!」とか、スポーツ新聞が掲げる自己中心的な威勢の良い見出しに釣られるのは得策ではありません。また、「過去この順位にいたチームの昇格の可能性は…」みたいなアレな分析は相手にせん方がよろしい。

 次にチームの成績。第1クール、柳下は「7勝」あたりをノルマにしていたと思います。勝ち点にすると21。これには残念ながら届きませんでした。それより痛かったのは「ライバルにホームで勝ち点を与えてしまったこと」です。

 一般的に、昇格・優勝などを争う当面のライバルとの対戦で理想型とされるのは、「ホームで勝ち、アウェーで最低でも引き分けてくること」と言われています。ホームで勝ち点3・アウェーで勝ち点1を目指す、という考え方ですね。どの監督もある程度この理想型を想定してシーズンのプランを練っているはずです。
 これが理想型とされる所以についてもう少し細かく説明すると、二回対戦してホーム勝ち・アウェー引き分けという結果を残せば、そのチームとは勝ち点の上で3+1=4対0+1=1ということになり、仮にどこかで一試合取りこぼしても、勝ち点で並ばれることはあっても抜かれることはありません。セーフティーリードとは行きませんが心理的に大きなアドバンテージとなります。普通のリーグならば対戦は二回ですが、ご存じの通りJ2はW杯期間中も中断せず同じ相手と四回も戦う世にも奇妙なリーグですので、理想型を貫けば勝ち点で6も差を付けることが出来るわけです。
 逆にいえば「ホームで相手に勝たせる」ということは相手に勝ち点を与えるだけでなく自ら計算していた勝ち点を失うことにもなります。つまりホームでの敗戦は

-3(相手にあげちゃった勝ち点)-3(失った勝ち点)=-6

という計算になるのです。同じ計算方法だと、「ホームで引き分け」は

-1(相手にあげちゃった勝ち点)-2(失った勝ち点)=-3

ということになり、「ホームでの引き分けは負けに等しい」という言説は、数字の上からも的を射たものだと言えるでしょう。だからこそ逆にアウェーでの引き分け上等、ということになるわけです。

 で、現在の順位と勝ち点差を、あくまでライバルとの直接対決の戦績だけに限って整理してみます。
 まず、「ホームで負けた」柏と横浜FCとはそれぞれ8点差・5点差。もしこれが逆の結果であればそれぞれ2点差でビハインド・1点差でリードとなり、だいたい上の式が当てはまると言ってよさそうです。「ホームで引き分けた」仙台との勝ち点差は7。昨日の結果が札幌の勝ちであればこの差は4になっていたわけですから、柏よりもむしろ仙台にはちょっと水をあけられていると言えるかもしれません。
 一方、アウェーで敗れた東京Vに対しては勝ち点で5の差を付けられています。これが引き分けであれば2点差でビハインド、十分射程圏内だったわけです。
 ですから直接対決の結果と勝ち点差の関係という点から見ればこの結果はまあ順当かな、という感じですね。つまりホームで二つ負けたこと以外はプラン通りに行っているということです。

 そこで、です。第2クールでは仙台・横浜FC・柏とアウェーで対戦します。もちろん厳しい戦いになるのは重々承知で、敢えて声を大にして言いたい。

「チャンスは十分すぎるほど残されている」

前述の式に当てはめると、たとえ引き分けて帰ってきても相手の勝ち点を2点削ることになりますし、こっちも1点取れる。ましてや勝つことが出来れば6点取ったことになる。「言うは易く行うは難し」ですが、「上記の3チーム相手に二回あるアウェーのうちどちらかを勝つことが出来ればイーブン」と考えてよいと思います。もちろんホームで計算どおり勝ち点3を獲得することが大前提であることは言うまでもありませんが。W杯期間中も中断せず同じ相手と四回も戦うアレなリーグであるおかげで、挽回のチャンスは数多く残されているわけです。(そのせいでW杯に対するモチベーションがいっこうに上がらないのには困ったモンですが…)


 もちろん自分たちが着実に勝ち点を積み重ねることも大事ですが、相手だっていつ崩れるか分かりません。もともと圧倒的な力なんて無いのですから、ぶっちぎるなんて無理。ライバル相手にアウェーで辛抱強く勝ち点を拾って、上に食らいついていくことが必要です。ですからまずは当面のライバルとの対戦、それもアウェーでの闘い方に注目して、今はじっと成り行きを見守りましょう。ロスタイムに追いつくという最近の札幌らしくないもののいかにも厚別らしい試合を演じてくれたわけですから。チームはこれから調子を上げてくれると思います。

 以上、「負けるとすぐ不機嫌になる自分への戒め」なエントリーにお付き合いいただきありがとうございました(笑)。さ、はよ帰ろ。

posted by tottomi@帰省中 |09:40 | コンサドーレ | トラックバック(1)

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