2007年09月17日
第40節・札幌0-1仙台
問題点は多いが、どん底からは脱した感はある。以下、雑感。 【まだまだ本調子ではない守備】 この試合、最初の焦点は仙台がどのような入り方をしてくるかという点でした。最近の仙台は従来よりリスクを避けた戦い方をしているようで、そのことはスコアにも現れていました。アウェイということでひょっとすると立ち上がりからは前目に来ないのではないか、という想定もしていたのですが、そうではなくて積極的にサイドを崩しにかかってきました。特に梁のところからショートパスをつないで札幌の右サイドを崩す攻めと、中島がCBの間に入り込んでラインの裏を狙う攻めが効果的でした。 が、ここんところでやられてしまうのは想定の範囲内。バイタルエリアに持ち込まれてしまったら最後の所ではね返す苦しい守りになるのは織り込み済み。この試合で問題だったのはその前の段階です。 今年の札幌を支えている守備の基本をもう一度思い出してみると、その生命線は①フォアチェック、②連動性、③ハードワークの三つ。イタカレがスタメンということで開始当初は①が若干疎かではありましたが、それでも前半の30分過ぎからはバランスもよくなり、また後半も中山が戻ってボールを奪う場面もあり、この点はまあ良いでしょう。問題は②と③です。前から追うものの後ろが準備できていない、攻守の切り替えが遅いなど、チーム全体でのディフェンスという点はまだまだです。さらに歯がゆかったのがリスクを恐れないボールへのチャレンジがあまりにも少なかったことです。一対一でボール奪取できていたのは大塚だけ。もう少しボールへのプレッシャーをきつくしないと。相手に余裕を与えすぎです。これと似た感覚は開幕戦の京都戦の時に感じました。あの時は次以降、しっかり修正できたのですから、次節はボールへ行くという点をもっと意識して欲しいと思います。 ただ、光明が見えなかったわけではありません。前節、「CBが競り負けてちゃ勝てるわけがない」という意味のことを三浦がいっていましたが、その点に関しては曽田は及第点でした。ゴールキックに対処する役割の西嶋も然り。それがリズムを生まなかったのはセカンドボールを拾えなかったからで、その辺は攻撃における問題点にも関わってきます。 【停滞してしまった攻撃】 ボールを持っても一向に前へ出さない…。こんな場面が何度もありましたが、出さないのもさることながら「出せない」というのが正直なところでしょう。この日の2トップは良くなかった。特に中山は味方が出したいタイミングに一歩遅れるというのを何度繰り返したか。普段なら後半厳しい時間帯にそういうことは起こりますが、この日は前半からキレがなかったように見えました。 出し手にも問題がありました。西谷は判断が悪いしボールに正確性もないし、縦一辺倒の選択でリズムを崩していました。大塚はせっかく出てきた展開力が出せずじまい。それどころかまた「近くしか見えず、つなぎのパスが弱い」という弱点を露呈。彼も含めてつまらないパスミスが時間を追うごとに増えていきました。あれではリズムは出ない。 早急に手を付けるべきは「動いてボールをもらう」という意識の再徹底です。FWは相手ディフェンスに狙い所を絞らせず動いてくさびを受け、中盤はFWにボールが入ったらすぐにサポートできるように動いてやる。DFラインも単なるつなぎではなくて攻めへの展開を考えてポジションを取ってつなぐ。みんながあと少しずつ足を動かすことが必要です。さっきの「セカンドボールを拾えない」というのもここに原因があると思います。
【今日のピカイチ君・イマイチ君】
- ピカイチ君:なし
- イマイチ君:ダヴィ
イタカレについて。私は以前「今年の出番はない」と書きましたが、それは彼自身の能力云々よりも、「合流して間もない、日本のサッカー未体験の選手を、こんな大事な時期に多用するようなリスクの大きいことをして良いのか?」という考えからでした。で、自己管理がなっていないダヴィが直前にダメになったため先発ということになったのですが、やはり周囲とのコンビネーションがなっておらず、前半で交代となってしまいました。今の起用法では、持ち味を出す前に日本のサッカー、札幌のサッカーにフィットせず使い物にならなくなってしまうのではないかと危惧しています。それでもチームの構成上、ダヴィや中山に何かあれば使わなければならないわけですが…。というわけで彼を先発させざるを得なくしてしまったダヴィも悪い。あと#11、ホント何やってんだテメェは。 【今節の結果】
- 注目ジョカトーレ・#13中山:バツカトーレ
- 今節のマルカトーレ:なし
これだけ書いておいて「実はあんまり悲観していない」などというと怒られますかね?でも後半がああなってしまったのは仙台が先制点を取って楽に試合を進められるようになったからだし、そしてそれは普段なら起こらないような信じられないミスから生じた失点だったわけです。全く歯が立たずにこてんぱんにやられたというなら暗~い気分になりますが、問題点はハッキリしているし、シーズン中にこうした問題が出た時もそれを解決してきたというのもあります。勝ち点の計算上は大きな負けでしたが、これを受けて次にどうするかが大事です。
posted by tottomi |16:02 | コンサドーレ | コメント(2) | トラックバック(1)