2005年11月09日
残していく人、残された人
これからが楽しみ、という人が急に逝ってしまうというのは悲しいものです。
巷では歌手の本田美奈子さんが亡くなったことが大きく取り上げられていますが、落語家の桂吉朝(きっちょう)さんも昨日亡くなりました。50歳でした。
私は、それほど落語に詳しいというわけではありませんが、中学時代にラジオの番組を通じて桂米朝さんの落語をよく聞いていました。その後も時間が合えばNHK教育「日本の話芸」などで落語を見たりしています。
吉朝さんは米朝さんの弟子で、これからの上方落語を担う存在として期待されていました。彼の落語会が「病気のため」という理由でたびたび中止になっていたことは米朝一門のHPで知っていたので、どうしたのかな、と思っていましたが、まさか亡くなるとは思っていませんでした。
私はまだ30代なので、自分自身の死について考えることはあまりありませんが、本田さんや吉朝さんは、どんな気持ちで逝ったのだろう、やりたいことはいっぱいあったはずなのに、そう考えると、今の自分は与えられた命を、時間をきちんと使えていないな、と痛感します。
私は今、本業では難しい状況にありますが、怠ることなく、かといって焦ることなく、進んでいこうと思います。
一方で気になるのは、あとに残された米朝さんです。
吉朝さんに先だって、米朝さんと共に戦後の上方落語界を蘇らせた盟友、桂文枝さんが亡くなり、米朝さんにとっては大事な人が立て続けに逝ってしまったことになります。盟友もさることながら、弟子に先に逝かれてしまうことの辛さ、相当なものでしょう。気を落とさずにと言う方が無理でしょうが、まだまだ我々を笑わせて欲しいものです。
posted by tottomi |21:27 | その他 | コメント(4) | トラックバック(0)