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菊地具也(キクチトモヤ) 1985年生まれ 北海道在住 中、高、大、野球部所属。 趣味はスポーツ全般の観戦。

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第35節 得点とプレーの精度

2007年08月25日

       この試合、平均失点1以下の札幌が2失点し、1-2で敗れた。湘南はディフェンススタイルが札幌に非常に近い、ラインコントロールとプレッシングをベースとした堅守のチームだ。34節終了時点で総失点31(札幌は22)と、リーグ2位の失点の少なさを誇る。今節、その同じスタイルのチームで結果を分けたのは、プレーの精度の違いである。両チームのFW石井と石原、彼らには1度ずつ、トラップの仕方次第で楽に得点できるチャンスを得たが、石原はそのチャンスを活かし、石井は逃した。互いに好機の少ない試合展開にあって、この両者の差はダイレクトに結果に反映された。

	‘45、石井は正面のペナルティーエリア付近でパスを受ける準備をし、ボールが来るとそれを湘南側エンドライン方向へトラップした。しかしゴールマウスから遠ざかる位置にトラップしてしまったため、そのままシュートへは持ち込めず、キープにはいった。その後一度湘南DFと対峙し、シュートフェイントを使ってシュートコースを無理矢理あけて、利き足ではない左足で力のないシュートを放つのが精一杯になった。彼がトラップした時点ではエリア内にスペースは広がっており、彼の利き足である右足ですぐにシュートを打てるような位置にトラップすることは可能だった。またそれが実践できれば、DFのチェックを受けずにコースの制限もなく、ゴールの正面からシュートを打てたはずである。しかしそれが出来ず、好機を逸してしまった。

	一方石原は、途中出場ながら好機で素晴らしいトラップを見せ、得点してみせた。’77、彼は選手の密集する札幌エリア内でアジエルからのパスを受けると、トラップ一つで前方にあったわずかなスペースに抜け、シュートを放った。石井がトラップした状況と比較すると、彼が要求されたトラップの精度は高かったが、それでも彼はそれをこなし、それが得点にダイレクトに結びついた。

	今回の試合では、得点にダイレクトに結びつく好機でプレーの精度が低いために、得点に結びつかないケースが目立った。先ほどは石井の例を挙げたが、これはチーム随一の技術力を持つ西谷にも何度も見られた。

	彼は幾度となく左サイドからアーリー気味にクロスを上げたが、シュートに結びついた例はいくつもない。これは、アーリークロスの優位性が活かせる位置にボールを送れていないことに問題がある。アーリークロスは、前線にスペースがある際、選手がそこに走り込み、サイドに位置するホルダーが合わせてパスを送ることだが、空いているスペースで合わせることに意味がある。走り込む選手は相手DFより前で受け、フリーでシュートを打てる位置へと走り、そこへ正確にボールを送ることで、DFより先にボールと接触し、フリーでシュートが打てる。そういった優位性がある。ところが、西谷は走り込んだ選手の手前にいるDFへボールを引っ掛けてみたり、ゴールから遠ざかるような軌道修正を必要とするところへ蹴ってみたりと、好機の生まれづらい位置に蹴り込んでいた。キックの正確性を欠いていた。

	これらのミスキックが走り込んだ選手の意図した通りになっていれば、楽にシュートを打てる決定機も多くなっていただろう。要求する側の選手はフリーでシュートを打てるいい位置に走り込んでいたし、西谷もそこに早いタイミングで合わせようと、互いの攻撃イメージは共有できていた。このイメージの共有は攻撃が成り立つために非常に重要で、それがある程度できていた点は良かったが、湘南のような高いディフェンス力を有するチームを崩すにはそれだけでは不十分である。そのイメージを実践するだけの精度が求められるだろう。


post by 菊地具也

00:27

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