2020年06月30日
眺望
もし、その状況を不当なものだ、不満だと感じて、そこから本気で逃げだそうとするなら、 状況それ自体を一望俯瞰することが必要だ。 状況全体を眺望することができれば、もはやその時点で、その人はそれと同じ地平にはいない。 しかしながら、その眺望は簡単に達成することはできない。 状況を構成する要素1つひとつを丹念に調べ、そこに通底する法則のようなものを抽出しなければならないからだ。 それは容易な作業ではない。 眺望はメタ認識と言い換えてもよい。 メタ認識には一定以上の知性が必要で、その知性が破壊されていた場合、状況からの脱出は他人の手によってなされる(こともある)が、その場合、当人自らまた同じ困難な状況に舞い戻ってしまうことも多い。 なぜなら、当人はまだその同じ地平にいるから。 知性はいかにして鍛えることができるのか。 どんな問題も自分の頭で考えてみることから知性は育つ。 だから、大人の言うことを聞かない、素直でないことは、すなわち生きる力の強さなのである。