コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2010年11月26日

バックアッパー

第2GKというのはできれば使わずに済ませたい,そういう状況にならないほうが良い,という存在だ。チームとしてはいわば“安心”に掛ける保険みたいなもので,どうしても使わなければならない状況に陥った場合やむなく使う,そういうものだろう。使われる側の第2GKにしてみても,普段は“安心”のためにベンチにいるわけで,だからどんなに張り切っても,アピールしても,めったに途中交代のチャンスは与えられることはない。でもベンチの一員としてチームを盛り上げたり,万が一の事態に備えてコンディションは整えておかなければならない。第2GKとはそういうポジションだろう。

緊急事態での登場となった徳島戦において,優也は実に落ち着いたプレーをみせた。

久々のリーグ戦登板ということ自体ものすごいプレッシャーだろうし,しかも今回は同僚の負傷退場という緊急事態である。「何かやらかすのでは?」という不安がよぎったのは私だけではないと思う。しかしこの日の優也は極力無難なプレースタイルに徹しようとしたのだろう。その気持ちは観客席にもじゅうぶん伝わっていたと思う。観客席には「優也,やらかすなよ」という気が充満していた。お約束のタッチを割るゴールキックにも,私の周りでは「優也にすれば上出来!」という声が聞かれたし,ハーフタイムにもアップを続ける優也にゴル裏から掛け声と拍手がまき起こった。

高原が復活して不動の守護神の位置を奪われてからずっとベンチだった優也。出場機会がない自分はチームのために何ができるか,と真剣に考えときには純平に相談したりもしたらしい。優也にとって強力な武器であり持ち味でもある大声でチームを盛り上げることもたしかに良い仕事だが,第2GKとして不測の事態に備えておくことも必須。そしてもっとうまくなるための努力も。それはかつて高原がやってきたのと同じ日陰の努力だ。

1-0勝利。

優也の努力はこの日「完封勝利」という形に実を結んだ。

posted by ○た |12:50 | 赤黒戦士 | コメント(2) | トラックバック(0)