2010年01月14日
「秋春制再提案」報道について
※リンク先が間違っていたのを修正しました。(1/14 16:00) JFAの犬飼会長がJリーグ秋春制移行を再提案した,という報道が先日あったが,検討内容の具体的な話はあまり見えていないような気がする。 たいていのスポーツ紙は,「犬飼会長が再提案。鬼武チェアマンは『難しい』」という論調のみで,そうした記事からは,今具体的には何が議論されている(されようとしている)のか,が伝わってこない。 そもそもこれは昨年3月にJリーグ将来構想委員会が「秋春シーズン制には移行しない」との結論を常務理事会に対して報告した時点をもって議論が終結したはずのものだ。 →The Stadium 「秋春シーズン制には移行はしない」将来構想委員会が常務理事会へ報告(3月 9 日, 2009 年, 7:54 pm) この記事によると,これまでに整理された秋春制移行のデメリットは,大きく分類すると次の4点だという:
- 寒冷地・降雪地対策:積雪対策や設備投資の問題。真冬の集客の問題。
- 学校の入学・卒業時期とのズレ:春に卒業した選手の扱いをどうするか。
- スポンサー企業の会計年度とのズレ:スポンサーが「9月~3月」と「4月~8月」のように分割売りを強いられる。
- サマーブレイクによる収入減:夏休み期間の集客が望めなくなる。
特に4点目は, >07年のJリーグ総収入約740億円のうち、入場収入が150億円、 >そのうち30から35億円が夏休み期間中の入場収入に寄るもので、こ >れが1、2月になった場合、どこまで落ち込むか「想定できないが極め >て重要な経営問題」 として,もっとも強調した点だという。 これを受けて,犬飼会長は(その後の常務理事会で,寒冷地対策・クラブ支援に関して) >「それに伴い支援するならば、財源はどこにおくかなど具体的な例が出された」 として,今後は理事会や将来構想委とは切り離し、常務理事会内で検討を重ねると言っている。 →The Stadium 「Jリーグの秋春シーズン制 11年を目指して再提案」サッカー協会犬飼会長が明らかに(1月 12 日, 2010 年, 9:50 pm) この動きは,今後は犬飼会長の意に沿わない将来構想委員会ではなく(自分の目の届く)常務理事会に検討の場を移した,ともとれる。 また,ニッカンの記事によると,犬飼会長は >施設整備や、その財源の確保など、クリアすべき課題は多いが「一刻も >早くやりたい。11年に実行できることがあればやっていく」 とも言っているそうである。 “できるところから着手”というのは一見現実的な進めかたのようにも見えるが,ちぐはぐな改革が変なひずみを生まないか。それが心配なのだが,11年から実行しようとしていることがらの具体像がまったく見えない現状では…。(^^; 【追記】この記事の続きを書きました。(2010/01/15)
posted by ○た |12:28 | クラブ経営・運営 | コメント(2) | トラックバック(0)