2009年11月06日
「悔しさ」は自分の中で育てるもの
・表彰式 選手の態度が問題にされたニュースをみたときまず最初に思ったのは「ありがちだよな」ということ。良し悪しは別にして。コトの程度はいろいろあるでしょうが,こんなのはトーナメントで争う大会なら,学校の球技大会だろうが世界大会だろうが必ずそういうシチュエーションはあるでしょう。どんな大会であれ,「準優勝(2位,銀メダル)」として表彰される選手に決勝で敗れた悔しさがまったくないということはないと思う。 だから悔しがる選手の気持ちは理解できる。今回の川崎の選手の場合も,あのような報道があって初めて世間は「それほど悔しかったのか」ということを識ることになったわけで。 ただし,理解はするが同情or共感できるかどうかは別だ。なぜ準優勝が表彰されるかといえば,それはここまで勝ち上がってきた功績を讃えるためだろう。決勝に出るということは準決勝までで敗退した者を踏み台にしてここまで来ているからだ。 そういう場面においてみずからの「悔しい」という気持ちだけで大人げない行動をとってしまった選手は,残念ながら浅はかだった,といわざるを得ない。 ・5千万円 で,今回の事に関してクラブ側はすぐさま“おわび”および「賞金返上」の声明を出した。危機管理の観点からすれば実にすばやい行動で,ある意味賞賛に値するかも知れないが,あまりにすばやすぎて,「一気に幕引きを狙った」とさえ見えてしまう。そこには選手の気持ちとかクラブとしての選手への教育とか,ひいてはアマチュアも含めたスポーツ界への影響への考慮が感じられなかった。クラブにも,当事者にも。 ちょっと心配なのは,今回の事件が日本のスポーツ界におけるひとつの“前例”となることだ。こういう“前例”はやがて“教訓”となる可能性がある。準優勝チームの指導者は「ここまでよくやった。胸張って銀メダルもらって来い」といって送り出すだろうが,ついでに「前にこういう事例があったから変な態度とるなよ」などと余計なことを言ってしまう人も出てくるかも知れない(もし私なら言っていまいそうだ(^^;)。 ・悔しさと2位に対する賞賛 だけど,惜しくも2位となった者に対する「他者からの賞賛」と「本人の悔しさ」は本来別のものだ。胸を張って銀メダルをもらうことと悔しさを噛みしめることは,どちらもあって当然だし,むしろ,全力を尽くして戦ってきた者はどちらの気持ちも持たなければウソだろうと思うのだ。 だから真っ正直に悔しさを表現してしまった選手が複数いるようなクラブとそのチームのサポーターに対して,私は(皮肉ではなく)羨ましいと思う。ただ,今回のアレは悔しさを表彰式の時点になって態度に表してしまった点が稚拙だっただけで。あれだけ悔しがれるのだったらもっと強くなれる。頼もしい。そう思えるのではないかと。
翻って,わがチームは天皇杯も終了してしまい,今季はリーグ戦4試合を残すのみ。 悔いのないように全力で戦って,良い試合をしてほしいと願う。
posted by ○た |13:49 | 他チーム | コメント(2) | トラックバック(0)