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2016年04月13日

祝・北海道新幹線開業・競争力検証

新幹線が航空機に太刀打ちできるのは、よく「4時間の壁」と言われるように、所要時間4時間以内の範囲であるとされ、北海道新幹線が開業する前、函館の経済界などは新函館北斗・東京間を4時間を切るダイヤを要望しました。

しかし、結論から言うと、少しくらい4時間を切っても、全然太刀打ちできません。

たしかに昔から「4時間の壁」と言われていましたが、航空自由化でスカイマークやADOなどが登場し、さらに最近はLCCの登場で航空運賃がかなり安くなったこともあるし、また、他の要素もあるので単純に4時間というものではないのに、何とかの一つ覚えで、画一的にやたら「4時間」と叫ぶのは、なんだかな~と思います。

現在でも「4時間の壁」と言われる例として、しばしば取り上げられる、広島・東京と北海道新幹線を比較してみましょう。

今回は所要時間、次回は運賃やその他の点を書きます。
  
                                          新幹線利用
               広島駅→東京駅               新函館北斗駅→東京駅
距離                  894.2㎞                  862.5㎞(函館駅からは880.4㎞)

所要時間      3時間58分(一部4時間1~3分)    平均(中央値)4時間24分
                                                   函館駅からは中央値5時間03分
                                最短でも4時間2分(函館からは4時間32分)

                                                 航空機利用
                             広島市内→品川駅               函館市内→品川駅
空港までの時間          45分(白市経由で約65分)              22分
空港での時間            55分(渋滞のため余裕が必要)          35分
フライト時間             1時間25分                          1時間25分
着陸から品川まで          40分                             40分
合計・空路の所要時間      3時間45分                          3時間02分
            (白市経由で約4時間05分)


空路を使って函館市内から品川駅までは3時間02なのに、JRで函館駅から東京駅までは平均(中央値)では5時間03分もかかるので、圧倒的に航空機が有利です。

函館空港は函館市内から近く、バスで22分しかかからないし、タクシー使っても、そう高くはありません。
だから新幹線は、あと2時間くらい時間短縮しないと厳しいですが、時速500㎞以上ださないと不可能です。

広島の場合、新駅での乗り継ぎが必要な函館と違って、広島駅に新幹線が乗り入れています。
また、すでに何度も書いていますが、広島空港は広島市内から、とても遠いので、仮に順調にいったとしても、新幹線移動よりもせいぜい30分くらい早いだけです。
しかも、頻繁に山陽道が渋滞し(先日のトンネル内トラック追突事故もありました)、リムジンバスが運休するので、白市までJR、そこから路線バスに乗り継ぐことを余儀なくされることが多いので、余裕時間も考えると(路線バスは運転本数も少なく、1時間に1本の時間帯もあるので)4時間半くらいは見ておく必要があります。
つまり、新幹線よりもかえって時間がかかると考えておかないといけないのです。
これなら当然、飛行機よりも新幹線の方を利用する人が多いでしょう。

単純に広島と同じに考え、新函館北斗・東京が4時間切れば良いなんてものではないのです。

さらに運賃や運転密度の問題もあり、完全に函館は飛行機優位、広島は新幹線優位に、はっきり分かれることになるのですが、それについては次回詳しく書きます。同じく新幹線で約4時間の秋田との比較も簡単にしたいと思います。

1995年9月3日、深名線廃止前日です。
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posted by かもめ |09:01 | 鉄道(船舶・航空機等) | コメント(2) |