2015年02月07日
生粉打ち(十割ソバ)が一番?
すでに江戸時代から生粉打ち(十割ソバ)が人気があり、つなぎに小麦粉を入れたソバは評価が低かったそうです。 たしかにソバ粉100%だと打つのに技術がいります。 上手に打たないと切れて短くなってしまうのです。 (客に出すのでなければ切れてもさほど問題ないのですけど) でも、本当にソバ粉100%が、つなぎ入りよりも美味しいのか? もちろん、スーパーで売っているような、ソバ粉よりも小麦粉の方が多い代物は論外ですよ。 ここで言う「つなぎ入りソバ」は、ソバ粉8割程度(最低でも7割)のものを指します。 片山虎之介さんが書いた「蕎麦屋の常識・非常識」という本には静岡の宮本さんという有名店のご主人の話が紹介されています。 「目標としているのは、のどごし、香り、味のすべてが揃ったソバ。生粉打ちではできない。」と、つなぎを入れた方がむしろ美味しいと考えています。 名人とまで言われている達磨の高橋さんは二八(8割ソバ)で打つそうです。 ちなみに、札幌の喜香庵さんや正直庵さんは達磨で修業されています。 私はこの2か月ほど、ほとんど毎日ソバを打っていますが、ニ八に落ち着いてきました。 味は生粉打ちも二八もほとんどかわらず、二八の方が切れにくいからです。 結論です。ソバ粉の割合が一定以上あれば、8割とか10割とかはそれほど問題ではないと思います。 それよりも、上手に打って上手に茹で、美味いつゆであることが重要だと思います。 もちろん、十割ソバも美味しいとは思いますけど、つなぎ入りよりも十割ソバがランクが高いなどと十割ソバをもてはやすのはナンセンスではないかと思います。 じゃあ、江戸時代の生粉打ち人気は何だったのかと言えば、江戸時代はソバ粉よりも小麦粉のほうがはるかに多い、とんでもないソバが多く、本当の(八二でなく)二八、つまり、ソバ粉2割・小麦粉8割が当たり前だったからだと思います。 10割まで行かずとも、8割で十分なのです。