コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2014年05月08日

阿寒に果つ、光と影

渡辺淳一さんが4月30日に亡くなりました。最近は渡辺さんの著作を読んでいませんが、一時期、読み耽った作家ですから、かなりショックです。渡辺さんの小説を知ったのは、大学進学のため東京に向かう青函連絡船の客室だったと思います。たまたま乗り合わせた友人が読んでしたのが渡辺さんの作品でした。「ダブルハート」か「自殺のすすめ」だったと思います。友人は物静かな中にも、渡辺さんの魅力を強く語ったのが印象に残っています。

次に思い出すのは、小平市にあった学生寮のベッドに寝ころび、「無影燈」を読む自分自信です。渡辺さんの作品で最初に読んだ本ですが、この本は田宮英二が主役を務めたテレビドラマ「白い影」の原作でした。この本を読もうと考えたのは、ドラマが面白かったからだと思いますが、詳しい経過は忘れました。とても厚い文庫でしたが、徹夜で読んだ記憶があります。

その後、寮の酒席で渡辺さんの話題が出て、先輩から「渡辺淳一なら『阿寒に果つ』だろう。」と言われ、さっそく読みました。主人公が、高校の同級生である天才女性画家・時任淳子を回想するストーリーだったと思いますが、すっかり彼女に魅せられました。魅力的な女性です。

その後、憑かれたように彼の作品を読むことになるわけです。「ダブルハート」、「死化粧」、「酔いどれ天使」、「リラ冷えの街」、「光と影」、「パリ行最終便」、「野わけ」…随分と読みました。大学を卒業した頃には、渡辺さんの作品には興味を覚えなくなりましたが、40年が経過した今も印象深く記憶にとどめている作品は「阿寒に果つ」と「光の影」です。そして、少なからず渡辺さんの作品から影響を受けたのは確かだと思います。

ご冥福をお祈りします

posted by kanchi |18:17 | life | トラックバック(0)