コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2009年10月12日

沈まぬ太陽

10月10日共済ホールで、「沈まぬ太陽」の試写会を観ました。主催は、角川書店です。この映画の原作を書いたのは山崎豊子さんですが、これまで映像化は不可能といわれていたようです。まあ、1巻400頁超の全5巻だそうですから、そりゃ大変だと思います。

上映時間は、3時間22分。途中で10分間のインターミッションがあります。あの黒澤明の「七人の侍」「赤ひげ」と同じ上映体制だそうです。試写会では、1時間40分で休憩に入りましたが、「えぇ~!このタイミングで~!」でした。封切りの際は、変更した方が良いと思います。


映画は、昭和62年、国民航空の創立35周年式典で幕を開けます。主人公の恩地元(渡辺謙)は、なぜか会社の上層部に疎まれているというか、毛嫌いされています。時を同じくして、国航のジャンボ機が御巣鷹山に墜落の大惨事が発生します。

昭和37年、恩地は組合の委員長として、職場環境と空の安全を訴え、交渉の結果、要求を勝ち取ります。しかし、彼は報復人事で、カラチ支店に飛ばされます。組合の仲間を守るため、2年間の約束で…。

2年後、彼を待っていたのは、テヘラン支店勤務。そして、次は路線も就航していないナイロビ支店勤務。その間、かつての同士であり組合の副委員長だった行天四郎(三浦友和)は、経営者側に寝返り、順調に出世街道を駆け上がります。家族を犠牲にし、自分の信念を貫き通す恩地。出世のために、汚い仕事に手を染める行天。恩地が疎まれる原因も次第に明らかになっていきます。

国航をNational Frag carrierと呼ぶ利根川首相に、再建を任された国見正之(石坂浩二)は、分裂した組合を一つにまとめるため恩地を会長室長に任命します。ここに、再建を妨害する守旧派幹部や利権を漁る政治家との闘いが始まるわけですが、果たして結末は…。


面白い映画でした。モデルが日航ジャンボ機事故なので、面白いというのもなんですが、人間ドラマとして見ごたえ十分です。観る前は、3時間22分と聞いただけで腰が引けていましたが、けっして長くはありません。原作は読んでいませんが、作者の意図は伝わるのではないかと思われます。もっと長くとも良いぐらいです!

最初は、恩地のあまりの愚直さというか、頑固さに辟易しましたが、最後は恩地の生き方に頭が下がる思いでした。さすが渡辺謙さんです。脇を固める出演者も豪華です。

ぜひ観た方が良い映画だと思います。ケニアの地平線を真っ赤に染める沈まぬ太陽が目に焼きつきます。


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監督:若松節郎
出演:渡辺 謙、三浦友和、松雪泰子、鈴木京香、石坂浩二


posted by kanchi |19:54 | 映画・TV | トラックバック(0)