2012年07月08日
ラジオ福島の300日
震災後しばらくは、地震の映像も、ましてや津波のあとも、テレビで見る勇気はありませんでした。 (原発だけは、予断を許さない状況だったので、毎日、「できません」「わかりません」の記者会見とか、60年代の怪獣テレビ映画のような画像を、真剣かつため息混じりに見るのを余儀なくされてましたが) 今でも、自分から進んでは見ないですが、たまたまテレビを見ていて映像が映ったりしても、それはそのまま見ることはできます。 タイトルの本も、出たのは知っていましたが、自分から求めて買う気持ちにはなれませんでした。 でも、今日、散歩がてらよった本屋さんで、なにげに買ってしまいました。(変な表現ですが・・) まだ初めの数十ページしか読んでいませんが、読むのが辛くて、すでに何度か、本をおいてしまいました。 あの時、テレビは倒れてしまい、ラジオをずっとつけてたので、書かれているアナウンスを読むたびに、その時の情景までしっかりと思い出してしまうんです。 もう時間もたったし、年齢とともに忘れるのは得意になってきているし、普通に読めるかと思ったんですけど、まだなにか押し寄せるものが残っているのに、自分でもちょっとびっくりしました。 でも、いい本です。 地震と原発事故を福島で経験し、報道者の良心をもってそれらと戦った&戦っているローカルラジオ局の記録としても、貴重なものだと思います。 もうすでに一年以上がたち、福島から遠い報道局が、地震や原発事故関係で、ヒーローやヒロインを取り上げ、美談として終わる番組を作って満足しているのは、私にはたまらなく嫌です。 映画じゃないんだと言いたくなります。 まだまだ、がれきはたくさん海岸の地方には残っています。 放射線の検出されない海産物や農産物でさえ、嫌がられています。 真剣に被災地や原発事故のことを考えてくれてるのなら、他にまだ取り上げるべきこと、問題にすべきこと、たくさんあるんじゃないでしょうか?
posted by じゅうよっつ |18:19 | 本 |