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2009年04月08日

生命力

診察室までご一緒したのがきっかけで、その後お会いするたびに、すこしだけ話しをするようになった患者さんがいらっしゃいます。

私とほぼ同年齢の物静かな女性で、ネコの話とか、着ているものの話とか、ちょっと込み入った話とかも、気心が知れてからは、たま~にきつい言葉も交えて、互いに、結構さぱさぱ話したりしてます。

でも、初めてお会いしたときの記憶はあんまりないそうです。
それくらいお具合の悪い感じだったのは、素人目にも見て取れるほどでした。
診察室までの道のりを、休み休みご一緒したのを覚えてます。

今日は山菜の話になって、「タラの芽は野生のはもっと味わいが深い」とか、「自然のふきのとうはこんな形」とか、木の実やキノコ捕りで間違えた(あぶな~!)話しとか、凄く詳しいので、感心して聞いていると、果ては、「この辺は昔マムシがいて、おやつだった」とか「風邪ひいたときには、タニシの煮汁がいい」とか「ドジョウを捕まえて鍋にすると・・」とか、どんどん話が勇ましい方向へ行き、彼女は、静かに、でも、すっかり雄弁に。

凄いなあ。
きっとこれから先、一番必要になってくるのは、こういった生命力、自分で生き延びる力だろうなあと、つくづく感じたのでした。
もし世界の終わりが近づいたら、ヤワな現代人が次々ばてていく中で、彼女は絶対、最後まで生き延びる一人になるだろうと、確信しました。
たくましい生命力に触れて、勇気づけられた気が(根拠もなく)しました。

posted by じゅうよっつ |22:05 | 考えごと |