2007年02月04日
極私的スガシカオ論――カタルシスのないパレード
スガシカオ-ALL SINGLES BEST 別冊カドカワ(総力特集)スガシカオ スガシカオを初めて聴いたのはたしか19才の夏。父親の運転する車に乗っているとき、ラジオ(たぶんノースウェーブだ)から流れてきた「ヒットチャートをかけぬけろ」だった。その頃の僕はとりたてて現状に問題のない大学一年生で、のんびりと帰省を楽しんでいるところだった。気にしていたことと言えば彼女がいないこととぼんやりした将来への不安ぐらいだった。そんなユルい空気の中で聴いた、何かいじけたような歌詞の乗ったメロディーを、乾いたようなざらついたようなギターとボーカルが歌うその曲は、なぜだかどうしようもなく僕を焦燥に駆り立てた。そして僕はすぐさまレンタル屋に行き、デビューアルバム「Clover」を借りてきて聴き込んだ。スガシカオの歌と向き合うようになったのは、ここからだ。でも19才でなんて、今にして思うとなんてスガシカオ的なんだ(「19才」という名曲がある)。
posted by ishimori |21:51 | music | コメント(0) | トラックバック(1)