2009年06月04日
ボリバレント
今季のコンサドーレでもっとも面白いのは、石崎監督その人だ。 これまで、いろんな監督を見てきたけれど、こんな采配をする監督は見たことがない。 毎試合、楽しませてくれるけれど、今日のアウェイ栃木戦は、ベンチにFw3枚だ。最終ラインで体で相手を止めるDFには、レッドや負傷のリスクがあるのに、DFが一人もいない。 本来、MFの上里、西をDFで使い続け、何とか形になってきたからこそ、DFが1枚かけても、西を投入することで対応できるという腹なのだろう。中盤で誰かが欠けたら、宮澤をトップにして、西を本業のボランチという采配も可能だ。 今期J2の長丁場を少ない選手で戦い抜くために、石崎監督が目指しものは、複数のポジションをこなせるボリバレントな能力だと言った。 J2のベンチ入りは5人と少ないが、一人で何役もこなせる選手がいると、5人のベンチメンバーが、7人にも、10人にも化ける。宮澤のボランチや上里のSBなど、少々面食らったが、ここにきて監督の思惑が少しずつ形になろうとしている。 一方、これの欠点は、絶えずフィールドにポジション経験値の不足した選手がいるため、安定感が生まれない。攻守にわたってなかなかチームとして機能しない。ここ最近の勝ちきれない試合も、石崎監督のボリバレント戦略と無縁ではないだろう。 もう一つの弊害は、出場選手の固定化だ。ボリバレントの能力に欠ける選手は、なかなか出場機会に恵まれない。堀田や柴田などがベンチにも入れないのは、おそらくそういうことなのだろう。 それでも、このボリバレント作戦が定着すると、シーズン終盤に面白いことになっていそうだ。ただ、選手が疲労の蓄積で動けなくならない限りだが。
posted by hibari |00:18 | hibari | コメント(4) | トラックバック(0)