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2009年03月25日

第4節湘南戦 ダイヤの原石

 友だちに家まで送ってもらった。最速のレビューだ。

 コンサドーレ札幌2009のポテンシャルは高い。湘南を圧倒していた。終始ボールをキープし、ある時間帯にはやりたい放題と言っていい時間帯もあった。

 だのに点が取れない。一発のカンターに沈んだ。

 若いチームだった。開幕戦に見られた積極性が影を潜め、全員がおっかなびっくり、疑心暗鬼でプレイしていた。

 そうして開始早々、連携の悪さから、キリノと上里が味方同士でぶつかり、双方とも怪我でアウト(血も出ていたらしい)。キリノに代わりに宮澤。上里の代わりに砂川が入り、西がボランチに入った。ゲームプランは大崩だ。
 
 しかし、先発メンバーのモヤモヤが、このメンバー交代によって払拭され、時間と共に札幌は、相手を蹂躙しはじめる。個の能力では適わないと見た湘南は、自陣ドン引き。引き分け、もしくはカウンターの一発に明らかに切り替えた。

 こうなると札幌はやりたい放題。何度も何度もクロスを上げ、何度ども何度もコーナーを蹴った。しかし、入らない。何をしても入らない。最後に、横野を入れて、バランスを崩して攻めに出たら、案の定、裏を取れられて一発のカウンターに沈む。

 チームは若い。若さがもろに出た試合、と言ってしまえば、話は簡単。でもそれだけではないと思う。

 私見だが、今期、補強した外国人が醸し出すラテンサッカーと石崎サッカーがまったくかみ合っていないのだと思う。つまり、石崎サッカーが前線からのプレスによる素早いダイレクトサッカーならば、クライトンとダニルソンが醸し出すラテンサッカーはキープとショートパスによる遅攻。このダイレクトとラテンが、水と油となってまったくかみ合わないのだ。

 南米の中でももっとも南米らしいサッカーをすると言われるコロンビアがから来たダニルソンは、キープ・ショートパスの南米スタイルしか知らないのだろう。仮にダニルソン一人だけならば矯正もできただろう。しかし、ここにラテンサッカーの申し子のクライトンが入ることで、二人の間だけが香ばしいほどのラテンになってしまった。そしてこの二人のラテンの響きを、若い日本人プレイヤーはまったく理解できない。

 それに加えて、ながらく北欧でプレイしていたキリノは、これまでの北欧スタイルを続けるべきか、石崎サッカーを理解すべきか、やっぱり昔に戻ってラテンサッカーをすべきなのか、3つの選択肢の中で、どうしたらいいのか、私、ワカリマセン状態なのだろう。

 こう書くと深刻だけど、間違いなく個々のポテンシャルは高い。ラテンサッカー対ダイレクトサッカーの混乱でチームはバラバラだだけど、個々の能力だけで相手を圧倒できる。でも、バラバラだから攻めに時間がかかってしまい、その間に守られてしまう。これを崩す力はまだない。

 で、結論なんだけど、俺たちは何が何でも昇格というのは経験したし、その結果がどうなるかも知っている。だからこそ、時間がかかってもいいから、じっくりとこの素材を磨き上げて、このラテンとダイレクトとしっかりと融合させると、それはすごいチームになると思う。

 柳下コンサの1年目も、若手主体の育成の年だったけど、あのときとまったく違うのは、個々のポテンシャル。このポテンシャルの違いが、ここ数年の育成路線の最大の成果なのだ。そう思えば、ダイヤを磨く楽しみが我々にはある。

 たとえ今年の昇格がダメでも、数年、石崎監督の下でしっかりと鍛えるならば、川崎フロンターレになれる可能性もあると思う。今の川崎土台を作ったのが石崎さんなのだから。

 あとは、我々サポーターが、どうこれをサポートするかだ。



posted by hibari |21:56 | コメント(3) | トラックバック(0)