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2008年10月23日

村野「J2におっこったくらいどうって事ないんです」発言を読み解く

 後で訂正はしましたが、今回の対話集会で村野さんが発した「J2におっこったくらいどうって事ない」発言は、心から出た本音だと思いました。これを「5段階計画はぶれていない」という発言を合わせると、私的には(良い悪いは別にして)村野さんの言いたいことがよくわかったんです。どういうことかというと。。。

 5段階計画が発表されて、4年目でJ2に優勝し、5年目でJ1になったのですから、この計画は5年計画というように思ってしまうんですけど、村野さんが(ということはHFCが)考えている本当の5段階計画というのは、10年、20年スパンの超長期計画なんだと思いました。

 実際にあの場で村野さんは「10年、20年」という言い方を2回もしていまし、「J2におっこったくらいどうって事ないんです」の前に「ずーっと先の事を考えて行きますと」と発言しています(R-梟さん 感謝!)

 そして、5段階計画のゴールは「北海道の子ども達をベースにしたチーム作り」と村野さんははっきりと言っています。すなわち、単にJ1に返り咲くことではなく、レギュラーの大半がユース上がりの、一時のガンバや千葉のようなチームになること。そしてそのようなチームでJ1に定着することが、長期計画としての5段階計画のゴールなんではないでしょうか、と村野発言を聞いて思い至りました。

 そう考えると、5段階計画が発表されてから確かに石井、西、藤田とユース上がりが育ってきましたが、それでも今期確実にレギュラーとして確実に定着しているユース出身者は残念ながらいません。なので、本来の5段階計画からすると、J1にたどり着いたとしても、今回は片手落ち、決して目指す本来の姿ではなかったんですね。

 本来の5段階計画からすると、昨年の優勝昇格、今年のJ1の方がイレギュラーな事態だったのかもしれません。今は、実はまだ2段階ぐらいで、まだまだユースと若手を育成し、財務基盤を強化することが優先される段階なのかもしれません。そう考えると、今年の降格、来年のJ2は本来の既定路線に戻っただけで、たしかに「どうって事ないんです」。

 それで、三浦監督続投報道が波紋を呼びましたが、村野さん的には、どのリーグに属しているかは今の段階ではさほど重要ではなく、原則として、監督はできるだけ長く、柳下3年、三浦3年というようなイメージだったんじゃないでしょうか。


 ここで誤解無きように言いますが、決してJ2にいたい、昇格したくない、ということを意味しているではなく、5段階計画のゴール=『北海道の子ども達をベースにしたチーム作り』を曲げてまで、残留にこだわる必要はない、という判断があったんじゃないでしょうか。

 何でそうなのかというと、親会社の無い金のなさに加えて(秒刊からの引用で恐縮ですが)『佐々木は歯を食いしばって語る。 (佐々木利幸社長/サッカー批評 21号 )「選手強化サイドは,『本州の選手には大金積まなきゃ北海道には来てくれません』 と言う。 でももうそれじゃ会社はもたないし,選手の気持ちは『来てやったんだ』というおごりのまま。ウチには大枚はたいてビフテキ食わしてという選手はもういらない。 ホッケやジャガイモ食ってでもチームのためにがんばるという選手と一緒に汗を流したいんだ』ということですからね。

 北海道に住み続けている我々は意識し辛い点がありますが、雪国北海道にチームがあるというのは、目に見えないところにもっと大きなハンディがあるのでしょう。村野さんは強化サイドにいてそうした厳しい現実を知り尽くしているんだと思います。

 そうした現実を踏まえて出した結論が「「北海道の子ども達をベースにしたチーム作り」だったと。そうであれば、村野さんは、ものすごく遠くを見ているんですね。そして遠くを見ることでしか、親会社を持たない市民クラブで、かつ積雪寒冷地にあるコンサドーレ札幌が、本当の意味でJ1に定着し、AFCを目指せるチームにならないと。

 まぁ、私の想像でしかありませんが。

posted by hibari |01:12 | コンサドーレあれこれ | コメント(4) | トラックバック(1)