2008年06月09日
マーカス投入の謎を解く
某掲示板でも書いたことですが、昨日の柏戦。後半44分にデビッドソン純マーカスを投入した采配について、ここでも結構疑問の声や、采配ミスを指摘する声が多いので、私の思うところについて。 マーカスの投入は、守備固めではなく、得点をねらいに行った采配だったと思います。 1点を追いかける札幌は、後半の24分にDFの吉弘を引っ込め岡本を投入しました。そして藤田がサイドバックに下がり、サイドにいた西澤が吉弘の代わりにセンターに移動しました。もちろん同点を狙った攻撃的な布陣です。 ところが38分に西澤が相手にPKを与え、自身も二枚目のイエローで退場。これでスコアは0-2となり、一人少ない中、専門職のDFは柴田と坪内の二人しかいないという事態に陥ります。 そして44分。得点、あわよくば立て続けの追加点を狙って、監督はカードを切ります。西を引っ込めマーカスをボランチに置き、クライトンをトップに上げたのです。 この時監督の頭の中には、残り時間わずかの一人少ない状況で、守備固めに入った相手から、力の劣る札幌が追加点を奪うには、セットプレイしかない、という判断があったと思います。 そしてあの時点で一番可能性の高いセットプレイは、コーナーキック。すなわち、クライトンにキープさせて、ゴールラインの近くでまでボール運び、相手にぶつけてコーナーを取るというもの。クライトンの力ならば十分に可能な戦法でした。そしてクライトンは前に出ます。 しかしこの作戦には一つ問題がありました。この時の札幌のメンバーは、西、クライトン、藤田、岡本、西谷、芳賀、坪内、柴田というメンツで、軒並み170台。80センチ超えは、わずかに柴田、坪内です。つまり44分の選手交代は、コーナーキックの競り合いで、186センチのマーカスを入れて、少しでもコーナーキックからの得点確率を高めようとしたものと思います。 高さなら181センチのエジソンを入れれば良かったという意見もあるかと思いますが、セットプレイというのは、おとりになる動きやサインプレイがあったりと、実は高度なチームプレイが求められます。入ったばかりで、日本語も十分ではない(と思われる)エジソンには、この連携は無理という判断だったのでしょう。他に上里と鄭もいましたが、身長から言うと断然マーカスだったと思います。 また0-2になった時点でエジソンを入れるという采配もあったと思いますが、専門のDFが2人しかいない状況で、これ以上、DFの数を減らすわけにもいかず、入れるとすると、西をエジソンに変えたワントップか、芳賀のワンボランチにしたクライトンとエジソンのツートップかですが、監督の目には西をエジソンに変えても、そんなに得点可能性が上がるようには思えなかったんでしょう。 西澤が退場とならなかったならば、DFを一枚削ってのパワープレイ要員としてエジソンの投入はあり得たでしょうが。 つまりマーカスの投入は西澤の退場が招いたもので、こうして見てみると、確かにあの状況の中では、これがもっとも得点を生む確率の高い(わずかではありますが)采配だったと思います。(これはあくまでも私の素人意見で、監督の意図は全く違っているのかも知れませんけど)
posted by hibari |22:53 | コンサドーレあれこれ | コメント(12) | トラックバック(0)