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2008年05月18日

【第13節ホーム名古屋戦】今期の“ベストゲーム”

doom1

 皮肉半分・実感半分で、今期のベストゲームだったと思います。

相手は、浦和を追って2位に付ける好調名古屋。前半は、この強豪を相手に互角以上のゲームをし、嬉しい宮澤の1点で先行。守ってもゼロで終えました。ラインは高く保たれ、ボールを奪う攻撃的な守備ができていました。

 勝敗を分けたのは、後半24分の玉田の得点よりも、後半5分のマギヌンの得点だったと思います。後半開始早々で失点したことによって、1-0のアドバンテージをできるだけ長く続けるというゲームプランが、わずか5分で崩れてしまったからです。(まぁ、決勝点になった2失点目も大きな課題ですが)

 これはすばらしいミドルでしたが、実は、これまでほとんど同じ場所から、昨日のを入れてこれまで4点も決められているんです。最初は開幕戦、鹿島の新井場に決められた点。次はドームの川崎戦で鄭大世に決められた点、そしてアウェイの神戸戦の石櫃の同点弾。そして名古屋のマギヌン。場所はいずれもちょうどペナルティエリアラインから10メートルくらい離れたところで、どの得点もゲームの流れを変える得点でした。

 札幌DFが押し下げられ(または下がり)、ペナルティラインにそってぴったりと並ぶかのように最終ラインが形成されると、ちょうどその手前に大きなスペースができます。これらの得点は、いずれもその大きなスペースから撃たれたものです。ちょうど、ここはフリーキックの入れ頃の距離と同じで、プレッシャーのかからない状況では、技術のある選手にとって壁がないだけにフリーキックよりも入れやすいのでしょう。

 問題は、この危険なスペースが、空間的にもプレッシャー的にも、ゲームの肝心なところで出来てしまうことですね。名古屋戦では、前半にリードして終わったため、後半開始早々「よし、守るぞ」という意識が出てしまったように思います。そして最終ラインに人は並んだものの、その前に広大なスペースがノープレッシャーな状態で出来てしまった。

 要するに、ラインを上げると裏を取られ、下げるとミドルから撃たれる、ということなのですが、中断期にこれに対する対策を固めないと降格を免れるのは難しそうです。

 対策のヒントは、やはり前半にあると思うんです。攻撃的だった前半は、技術で勝る相手が札幌を押し下げようとしても、カウンターを含む札幌の攻撃に怖さがありましたから、守備が気になって名古屋としてもそれほど前がかりにできませんでした。その結果、ボール支配率的には4:6ぐらいだったのに、失点ゼロで抑えることができたと思います。

 つまり、札幌の場合は、6対4ぐらいで相手を攻撃する姿勢で、ようやく4:6とか5:5になって結果として「守ること」ができる。反対に4対6ぐらいで守ろうと思うと、3対7と相手に圧倒されてしまい、結果として「守れない」。そして同点、逆転をねらい7対3の試合をしようとすると大量失点してしまう。

 そうなると、守備再構築のポイントは、ディフェンダーではなく、攻撃陣だと思いますね。中断期にノナトに代わる外国人FWを入れるそうですが、この人選が、実は守備の再構築のキーになると思います。

 いずれにしろ、名古屋戦は、2失点目、3失点目は、どうにかできた気もしますが、リーグ2位の相手に対して、今の持てる戦力(怪我人が多いことも含め)の範囲内で精一杯やった結果だと思います。


posted by hibari |19:35 | コメント(1) | トラックバック(0)