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2008年03月08日

【第1節アウェイ鹿島戦】ハイリスク・ハイリターンのツケ

 明らかに格上の相手とギリギリの勝負をし、途中まで拮抗していたけれど、何かが折れた途端にすべてが崩れて、グタグタになるという展開でした。

 前半、ダヴィと中山を前に置いた07年仕様でした。前から追い込んで、相手にプレッシャーをかける戦法は、ギリギリのところでJ1チャンピオンである鹿島にも効いていました。

 しかし拮抗した展開といえども、あくまでもギリギリのところで相手を押しとどめるのが精一杯という展開で、勝ちは望むべくもなく、このまま行けば少なくとも1失点はあってしかるべきという展開でした。

 0-0で前半を終えて、指揮官には二つの選択があります。

 一つは拮抗した展開を後半も維持すること。0-0を狙って勝ち点1を持ち帰る。
 しかし、たとえ後半も均衡を維持できたとしても、こちらがゼロで抑える可能性よりも、相手が1点取る可能性の方がはるかに大きい。たとえば後半2店目の新井場の得点などは、昨年にはあり得なかった得点です。この作戦だと勝ち点1以上を持ち帰る可能性は15%ほど。それでも0-1で負けても、“守備は通用したという自信”を持ち帰るのか。

 もう一つのゲームプランは、思い切ってギャンブルに出ること。
 どうせ拮抗した展開を続けても、精一杯やって0-0の勝ち点1。現実路線では勝ちは望めない。だったら、まだシーズン序盤なんだから、たった1の勝ち点にこだわらずに、わずかでも可能性にかけてみよう。当たれば儲けものだし、はずれても貴重なテストができる。

 こうした二者択一の中で、三浦監督が選択したのは後者のギャンブルだったようです。

 サッカーに限らずいつの世も従前の予想を覆すのは若い世代の爆発。先発に西を使ったこと。後半に藤田、岡本を入れたこと。これは、J1チャンピオンの鹿島を倒すというサプライズが起こりうるならば、若手の爆発という、想定外のミラクルしかない、という監督の思いだったんでしょう。

 しかし、これらの采配はハイリスク・ハイリターンなギャンブルなわけで、鹿島から勝ち点を奪うというハイリターンの裏腹には、0-4というハイリスクが当然に存在していました。

 個別に言うと、監督の想定を裏切ったのは西の不甲斐なさでしょう。
 サプライズを期待して先発起用した西がJ1チャンピオンに、飲み込まれ萎縮してしまってはサプライズなども起こりようがない。萎縮しきった西の前半のプレイでは、後半とともに下げられも、しかたがないものでした。

 西が失敗したならば、鹿島を倒すと言うことはほとんど望めない。どうせ勝てないのならば、毒くわば皿まで。もっとギャンブルしよう。加入して1週間もたっていないクライトンをFWで使うわ、岡本を入れるわ。後半はまったくのプレシーズンマッチになってしまいました。

 そんなギャンブルの結果として、0-4のツケは順当でしょう。それ以上の点差も十分にあり得ました。

 今日の0-4は、序盤だからこそ許されるギャンブルとして、監督の予想の範囲内ならば(と思いたいですけど)、次節ホームの横浜戦をどうするのか、大変注目されるところです。

posted by hibari |19:24 | 試合の感想 | コメント(5) | トラックバック(0)