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2007年12月18日

三浦監督の条件闘争

 J1に向けて、契約更新や補強などが進むなかで、出そう出でないのが、三浦監督の続投宣言。Jリーグ・アウォーズでも、明言は避けました。

 そんな監督の念頭にあるのは、今期途中で解任された横浜FCの高木監督でしょう。J2でも万年下位にあった横浜を就任一年目で昇格させた実績も、J1での低迷で帳消し。横浜の低迷は、監督の責任というよりも、ビックネーム好きなフロントの方に問題がありそうなのに、すべての責任を押し付けられました。

 大宮でJ1をよく知っている三浦監督だけに、軽々と続投を宣言して、高木監督の二の舞いになることだけは避けたいところです。思えば最終節水戸戦での次のコメントは意味深長でした。

「それともう一つは、これは夢を売る職業としてはあまり良い話ではないかも知れませんが、残留・優勝というと、やはり資本力というのは間違いなく必要なことです。(中略)。J1もそうです。降格した二つは人件費をかけられなかったチームです。そこはある意味必要な事じゃないかと思います」

 選手としてほとんど実績の無い三浦監督が、プロサッカーの中で監督として生き延びるためには、実績を示し続けていくことが必要です。守備に重点を置いたリアリステックな采配は、一部のサッカーマニアからは毛嫌いされていることですから、一度失敗者という烙印を押されたら、2度と監督として声がかからないかもしれません。実際に、かつて仙台を昇格させた清水秀彦さんは、昇格2年目の9月に解任になってから、どこのクラブの監督にもなっていません。

 おそらく今、三浦監督は、HFCに対して続投に向けてのさまざまな条件を提示しているところなんだと思います。HFCとしては是非とも監督に続投してもらいたいわけで、続く長身選手の補強も、監督から出された宿題の答えの一つでしょう。

 監督が望む条件がかなわず、監督を降りることになっても、あれだけのキャラクターですから、解説などの仕事は引く手あまたでしょう。クラブワールドカップを岡田さんとともに観戦したということですが、これは、一度札幌を昇格、残留させた先輩である岡田さんに、あれこれと身の上相談をしたんだとも思えます。

 大宮を辞めて札幌からオファーがあったときに、三浦監督の念頭にあったのは“昇格できるかどうか”ということで、資本的には6番目にすぎなかった札幌を選んだのは、監督的にそれなりの確信をつかんだからだと思います。そして、結果は、ほとんど監督が予想した通りでした。

 今週末にも強化部長と話し合いを持ち、続投かどうかが発表されるそうです。おそらくその時に監督から出された宿題の答えが返されるのでしょう。それを踏まえて、監督が続投を表明したとしたならば、J1を知る三浦監督がかなり強く残留の手応えをつかんだと考えて間違いはないと思います。

 今週末は、ストーブリーグの大きな山場となることは間違いありません。

posted by hibari |23:34 | コンサドーレあれこれ | コメント(5) | トラックバック(0)