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2007年08月20日

白い恋人とコンサドーレ札幌

 石屋製菓を巡る議論の中で、札幌が石屋製菓に大変に世話になってきたという話があるけれど、石屋製菓が札幌に大変世話になってきた、という側面もあるんですよ。

 これは2000年11月10日の北海道新朝刊 「コンサドーレ賛歌」という連載の中で、石水さんがインタビューに答えもの。

 『チームができた一九九六年と比べると、うちの会社の売り上げは二倍の約七十億円になりました。本州でやったアウエーの試合で道内のサポーターが『白い恋人』を観客に配ってくれたこともあります。コンサドーレのファンが営業マンになって、応援してくれているんです。売り上げ増にはコンサドーレ効果もあったと思います』

 つまり、コンサドーレ札幌のスポンサーになって、売り上げが倍増したと言うことですよね。この当時は売り上げ70億ですが、今は80億。

 06年4月期 売り上げ82億7100万円 経常利益 26億5600万円

 上の記事ひとつだと弱いので書き足しでもう一つ。2004年3月26日の朝刊。
『<ひとフロンティア>石水勲さん』という記事。

『コンサドーレが出場する全国各地の試合会場やスポーツ番組で、ユニホームの「白い恋人」の文字が躍動し、知名度アップに貢献。応援を始めた十年ほど前の売上高は約三十五億円だったが、0五年四月期は約八十億円を見込むまでになった。「サポーターの中には白い恋人を買って道外の試合先で観客に配ってくれる人もいる。営業マンを何万人も抱えているようなもの。サッカーの応援が売り上げに自然と結びついてきた」と話す。』

 石屋製菓の場合はほ売り上げのほとんどが「白い恋人」で、同じ商品を作り続けコストも下がってきているだろうから、売り上げ以上に石屋製菓の利益率はもっと拡大していったと思います。82億の売上で利益が26億ですからね。破格とされるクラブハウスのレンタル料だって、税金対策には大きな貢献をしていると思う。

 こうして見ると、石屋製菓の年間1億のスポンサー契約はむしろ格安。石水さんはやり手ビジネスマンなので、身銭を切ってコンサドーレに支援しているように見せておいて、その実しっかりと損をしないソロバンを弾いてきたんです。「支援」というから、何かいつも助けられてきたような感じがしますけど、石屋製菓の場合は、「支援」というよりも「投資」で、元を十分すぎるほど取っています。

 なので、「石屋様に札幌は常に助けられてきた」と、我々がことさらに卑屈になる必要はないと思うんです。

 石屋製菓の新社長さんは「コンサドーレ札幌のスポンサー契約は白紙」と言っていますけど、それは「白い恋人」の売り上げに果たしているコンサドーレの役割を知らない人が言う話。石屋製菓の売り上げの推移を見ると、新社長さんはむしろ「こんな不祥事を起こしていしまいましたが、どうかスポンサーは続けさせてください」とお願いすべきもの。

 会社を存続、業績を回復をさせようと思えば、当然、売り上げが必要なわけで、経費削減のみみっちい話のために格安の1億のスポンサー契約を渋れば、それ以上の売り上げや利益を失うことになると思う。独創的で先進的な技術開発で伸びてきた自動車が、経営再建の経費削減のために研究開発部門をそっくりリストラするような愚です。

 今回の一連の報道で、こうした側面がすっぽり抜け落ちています。石屋製菓が札幌を助けてきたような側面ばかりが強調され、それがいつの間にか社会常識化している。コンサドーレの広告効果を正しく報道してくれれば、新規スポンサー開拓に大きな力になったと思う。

 私が思うに、この窮地から石屋製菓が蘇るためには、むしろコンサドーレ札幌に今以上に積極的な投資をして、J1昇格、J1定着を後押しして、「白い恋人」の全国的な知名度を復活させる、ことの方が得策じゃないですか。

posted by hibari |20:20 | コンサドーレあれこれ | コメント(4) | トラックバック(0)