コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2011年01月04日

大伍の背中に手を振って

以前どなたかが、「プロビンチャはバンディエラを求めてはいけない」と書かれていて
あぁそれならば受け入れられそうだ、と思った。
それならばダイゴをすんなり送ることが出来そうだ、と思った。

2008年10月19日の柏戦でのダイゴを思い出さずにはいられない。
降格が決まってしまい、ゴール裏からは厳しい声がたくさん飛んだ。
怒りや、悔しい思いをぶつけた。
何か言ってほしかった。思っていることを聞きたかった。
けれど選手たちはいつもの試合のように礼をし、ゴール裏を離れて行った。
淡々としていた。何も伝わっていないと思った。
もしかしたら、選手たちは何も感じていないのかもしれないとさえ思った。
すると、ダイゴがひとり戻ってきた。
戻ってきて何をするでもなくみんなの声を聞いて、礼をしてまた去って行った。

ダイゴはあの時のことを後のインタビューで、
「すぐにくやしいという気持ちもわいてこなかった」と正直に話していた。
大げさかもしれないけれど、降格そのものよりも選手に落胆したあの時
ダイゴは私たちにとって唯一の光のように感じていた。

2009年にダイゴのチャントが出来て、歌詞に「俺たちの西大伍」と入ったのは
きっとここがきっかけだったと思っている。
あの時誰も立ち止まってくれなければ、何も感じてくれなければ、
もっと辛いシーズンになっていたのではないかなぁと思う。

ごはんを食べるのが遅いとりょうぼ。さんに言われていたダイゴを。
ブラジル留学の途中から帰国させられて、
みうみうに秘密兵器と言わせた(ハッタリだったらしいけど)ダイゴを。
女の子のように可愛かったはずなのに、気づけばたくましくなっていたダイゴを。
スタンドにのぼってきて自分のチャントを歌っていたダイゴを。
コンサのバンディエラになりたいと語っていたダイゴを。
手放す時が来てしまった。

「背番号を空けてくれているのは嬉しいけれど、寂しい」と
昨季のキックオフイベントにこっそりやって来てコメントしていたというダイゴ。
行く時はもしかすると、1年のつもりだったのかもしれない。
でも、この1年でダイゴは変わった。成長した、と言えるのかも。
「チームの未来のため」というダイゴの言葉の本当の意味は
未だにわからないままだけど。

こっちはダイゴがいなくて参ってしまうけれど、不思議と嬉しい気持ちもある。
札幌は地元なのだから、いつでも遊びに帰って来ることと思う。桜子ちゃんもいるし。
でも、サッカーの未練はコンサに残さないでいて。絶対に。
ダイゴが前を向いて進むことができるなら、それは私たちにとって唯一の光。
「俺たちの西大伍」と、もう歌うことはできないけれど。こういう応援のかたちもある。

1年で戻ってくるつもりでやるな、なんて思っていたのだけど
いざ戻って来ないとなると、やっぱり寂しさはあるなぁ。
とは言っても、ダイゴのコメントにはとても励まされる思いだった。
いつか帰って来たいとか、愛着どうとか、そういうことを一切言わず
自分のためだけに前へ進むので応援してくれ、と言ってくれる。
移籍する選手に私が言ってほしいと思っていた言葉だった。やっぱりダイゴは違うぜ。
スカパーのJ1パックは契約しないので、アフターゲームショーに映る活躍をしてね。
そうしてコンサがJ1に上がった時に、敵チームとして戦おう。
その時には、拍手じゃなくてブーイングだよ。ダイゴもそっちの方が、喜んでくれるでしょう?

posted by ひとみ |21:16 | 選手戯言 | コメント(6) | トラックバック(0)