スポンサーリンク

2020年09月11日

FOOTBALL INTELLIGENCE 相手を見てサッカーをするを読む。

>楽しいばかりが幸せじゃないわよ(マツコ・デラックス風に)

 試合に関しては1つ勝つまでは結局グチにしかなりそうもないので黙っとく。
 というわけで、コメントへのレスはしばらくお待ちください。

○FOOTBALL INTELLIGENCE 相手を見てサッカーをする(岩政大樹 著 カンゼン \1,600+税)

 帯には柴崎岳選手絶賛とあるが「ピッチで何をするべきか?答えは相手が教えてくれる。」とあるように各ポジションごとのポジショニング、システムの急所、駆け引きで優位に立つ、と大きく3つに分けて相手ありきでどうするか?ということが書かれている。特に、駆け引きにおいては実際に対峙した選手を例に挙げているのでイメージはしやすいと思う。

 戦術リストランテを出しているカンゼンらしく、図もたくさん入れているので読んだ感想としては思ったより難しくなかった。これくらいのことはプロはもちろん、プロを目指すユースや高校生なら当たり前、常識と思っているんだろうなといったところ。最近よく言われる言語化にも触れていて、著書では

「結局、ストーミングやポジショナルプレーもあえて言語化して分類し、説明しようとするときに必要なものにすぎません。今現在、私はそれを「どちらでもいい」と感じてしまいます。」

「言語化してサッカーを説明していくことは現代サッカーに必要で大切なことですが、それに躍起になって、言葉で何かを分類するとピッチの中の選手たちと離れた解釈を生むこともあるということです。」

「選手は判断を積み上げて、試合を作るのです。」

 とある。清水英斗氏の著書、サッカー「観戦力」が高まるの中でもバルサのシャビを育てたコーチの言葉を引用して「選手を見るときは、技術ではなく頭の中を見るという哲学をもって選手を育てる」という記述がある。武蔵が抜けたミシャコンサは今いる選手の中で再構築だったりアップデートを図っているのかな、と。もちろん、選手個々が技術を磨いてという前提だけど…。

 なぜ、4-4-2は主流であり続けるのか?というトピックをロシアW杯を引き合いに出しながら考察しているのでそっち系が好きな方はハマると思う。前述の清水氏の著書は初版が2012年1月とちょっと古めだが、こっちは初版が2019年3月と比較的新しいので“時差”を感じることもない。

 また、戦術リストランテは当時最先端の戦術ということでどうしても欧州サッカー中心になりがちだが、岩政先生の本はJリーグ中心でたまにロシアW杯や欧州のメガクラブという視線なので敷居が比較的低いのも地味にポイントが高いと思う。欧州サッカーなんて普段見ねーし…となるよりはよほどイメージしやすいしね。DAZNなどでも解説が戸田和幸氏に次いで具体的でわかりやすいと思っているが、このあたりは岩政先生と言われる所以か。

 NFL(アメフト)開幕でさらに話が取っ散らかりそうだが(汗)、共通しているのはいかにフリーな人やスペースを作るか。難しすぎず易しすぎずの内容で、戦術厨はもちろんのこと、ビギナーから一歩踏み出したいと思っている人にはそのあたりを意識しながら読むと一層面白いだろう。

posted by フラッ太 |19:10 | 書籍紹介 | コメント(3) | トラックバック(0)