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2018年02月06日

第52回スーパーボウル。

>番狂わせ?んなこたぁねーよ!

 絶対王者・ペイトリオッツの連覇成るか?とペイトリオッツが勝つだろうという下馬評の中で行われた今回のスーパーボウルはミネアポリスのUSバンクスタジアムが舞台。最新のドームスタジアムで外がマイナス15度でも全然大丈夫。今回はミネアポリスが会場なのでハーフタイムショーではプリンスの映像が出てきたり会場が紫に染まるなど粋な演出もあったりで華やかさは相変わらず。
 ペイトリオッツの相手はNFCを制したフィラデルフィア・イーグルス。イーグルスはエースQBが終盤にケガで離脱し控えQBが先発。一方ペイトリオッツのQBブレイディは5回もスーパーボウルを制したとあってはアンダードッグ(噛ませ犬)扱いされても致し方ない。ただ、ペイトリオッツ相手だとアメリカでも判官贔屓があったのか選手入場時のペイトリオッツに盛大なブーイングが浴びせられたのには笑った。

 データからも攻撃力のペイトリオッツVS堅守のイーグルスという構図だったが、
 イーグルスが41-33と点の取り合いを制しての勝利には驚かされたと同時に大いに溜飲を下げた。
 ぶっちゃけ、ペイトリオッツざまあwwwである。だって勝ちすぎるんだもん…。

 駆け足でBS1の短縮版の録画を観たが、印象としてはイーグルスの粘り勝ち。もともとイーグルスのQBフォールズは無理投げしない堅実さがウリでラン攻撃中心にじっくり時間を使って攻めるというセオリー通りに攻撃を組み立てた。ハイスコアになったのは結果論。
 ランパスオプションを駆使してギリギリまで的を絞らせず5~6ヤードを着実に稼ぐ。言うだけなら簡単だがずっと神経戦の連続。ここぞという時のロングパス1発や2Q終了前に本来パスを投げる役のQBがパスを受けてTDを決めた(!)とっておきのスペシャルプレーで流れを引き寄せた。

 アメフトもフットボールなので11人VS11人というのは同じ。着実なランか一気に距離を稼げるパスか?10ヤードの陣取り合戦の連続をどう制すか?ってところに集約されるんだけど、思い返してみるとイーグルスはペイトリオッツの守備の弱いところを衝いてきたかな、と。
 アメフトの場合、大雑把に言うとDFライン、ラインバッカー(LB)、セカンダリーの3つのラインで守備をする。四方田コンサの5-2-3だと5がセカンダリー、2がボランチ、3が前線のFW3人と考えてほしい。ペイトリオッツはラインバッカー陣が質量共に薄くなっていた。レギュラーシーズンでもLBが足りずに2人しか置かずセカンダリーに5人並べるというやや変則的なシフトだった。ケガ人が出るのはお互いさまなのでアレだが、LBのハイタワーが早々にシーズンエンドにならなければ…とも思う。

 LBが2人しかいないとどうなるか?ミドルレンジの守備がつらくなるんである。

 サッカーでもフィールドの横幅は3人では守りきれないとされている。もともとスペースが空きがちになる上に人数勝負でも不利を強いられる。パス攻撃ならわざとスペースを空けた上でパスを出させてカットすることもできるが、ラン攻撃では3~4ヤード進まれることがどうしても多くなる。
 10ヤードを進むのに最初の1回で5ヤード進むと当然選択肢は増えるし、攻撃を続けやすくなる。実際、3rdダウンの成功率はイーグルスが10/16とペイトリオッツの5/10を上回っていて攻撃を繋ぐことができている。成功率そのものは極端に差はないがペイトリオッツは前半は半分も成功していない。
 アメフトはインターセプトやファンブルがない限りいったんボールを持ったらずっと攻撃のターン!なので、自分たちの攻撃時間が長くなれば相手の攻撃の回数も減らしやすくなる。攻撃力のあるチーム、特にパスをガンガン投げ込んで短時間で点を取れるペイトリオッツのようなチームにはなるべくボール(=攻撃権)を長く持つという定石に乗っ取って攻撃時間でもおよそ34分VS26分と上回った。アメフトは時間の奪い合いの側面もあり、タイムアウト含めて残り2分の攻防、駆け引きがまた面白かったりするんだがそれは改めて。

 ペイトリオッツに関しては一周回ってアンチになったけど、やはり敗れて強しだった。後半すぐにはわかっていても止められないTEグロンカウスキーへの最強ホットラインであっさりTD取って追いすがるし、そっちを囮にしてパスを投げ分けるブレイディの巧さは流石だった。何せ去年は後半25点差つけられたにもかかわらず逆転してみせたから最後の最後まで全く安心できなかったよ。
 最近はニワカをこじらせて守備の選手にもけっこう目が行くようになっているが、基本は大事なんだなあというのを改めて思い知らされた。守備がザルなチームは勝てない、攻撃も派手な空中戦だけではダメで地上戦でコツコツ進んだ上でプレイアクション(ランと見せかけたパス攻撃)を活かす。アメフトは将棋の棋譜のように読むことで楽しめるところがあるから戦術厨の心をくすぐるんだよなあ…。

 …え?コンサ?今は基礎固めに勤しんでもらいましょ。いきなりのボールを使った練習でのハードトレーニング、練習試合の多さはそれだけ基礎固めに時間がかかるからってことだろうし、今はとにかくケガのないように仕上げてもらおうくらいしかないかな。守備は全く手をつけないとかいうツッコミはナシの方向で。

posted by フラッ太 |23:55 | スポーツ | コメント(0) | トラックバック(0)