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2016年11月28日

'16弾丸ツアーレポート・ファイナル④~VSツェーゲン金沢観戦記・後編~

>このタイミングで発表されるとなあ…

 さて、今回はスマホ持ちなのでスターティングメンバーも事前にチェックできる。最終節は同時刻キックオフだから他会場も横目に観つつというスタイルを採ることにした。あれ、古田がいない。ケガだっけ?基本、コンアシ予想通りだったが増川がいない。何でだ?と思ったら、まさかの大ケガ(泣)。道理でセレモニーでも見つけることが出来なかったはずだわ…。

 福森とジュリーニョが出場停止なのでどう考えても攻撃が厳しい。プレースキッカーがいないし、福森お休み&河合が真ん中ってことはDFラインにビルドアップを求めるのも酷な話。ってことは、上里がどれだけミドルパスを供給できるか、WBを走らせることが出来るかが勝敗のカギかなと予想した。そうなると守備に難のある上里とボランチを組む宮澤の負担も大きくなりそうだ。

 で、試合。互いに負けだけはイヤだということで堅い入り…ではあったんだが、コンサのパスがCB→WBの各駅停車になることが多かった上に、そこから打開できずWB→CB→河合で河合が都倉に放り込みという見るからに手詰まり感のある攻撃。長いパスで動かすのは上里の役目だろう、何のために上里をスタメンにしたんだよとボヤくことしきり。
 頼りになりそうなヘイスは複数マークで潰されるし、やる気があるのかないのかわからないフラフラした動き。そもそもフルタイム保つのかどうかもわかんなかったし、全力で行ける状態ではなかったのかも。上里は謙伍と息が合わなかったりでパスが出ない、すぐ近くの選手に出すと相手に読まれてたまにインターセプトされるしで想像以上に攻撃が苦しかった。そうこうしているうちに櫛引がイエローをもらってしまい、金沢がコンサの左サイドを攻め立てる。
 前半で腰が浮いたのはヘイスのFKくらいか。あれだけのスピードでかつ枠に入れるシュートが打てるヘイスは流石。コンサの攻撃の出来からして1点勝負、1点が重たい試合になるなと感じた。まあ、もともと攻め倒して勝ってきた四方田コンサじゃないからある程度はそうなるだろうなとは思っていたものの、こじ開けるのは相当苦労するぞ…と。

 ここで他会場をチェック。昇格を左右する松本は…ちっ、追いつきやがった。清水は同点。松本にひっくり返されるかどうかだけを気にしていたので、清水はぶっちゃけ当時はほぼ無視していた。岐阜が2-2で北九州も同点。ってことは金沢も攻めに来なくちゃならない。まだどっちに転ぶかはわからんな。当日のメモ書きは

○上里コース切られてる
○上里潰せない、出せない
攻撃の型が作れない 上里出せない、河合のフィードで何とかなってる
上里OUTで小野IN2トップそのままか 内村INでヘイストップ下か?

 と上里に対して辛いものばかり。それだけどっちつかずな印象が強かった。

 後半は上里と宮澤が入れ替わるような形で宮澤が左サイドに回る時間帯があり、攻められている左サイドをケアしに行ったか?と思ったのだが、流れの中でそうなっただけでどうやら意図的なものではなかった模様。OUTとINはフクアリでの選手起用を見据えての妄想だったんだけど、ヘイスOUT内村INでその予想は外れる。
 ここで他会場をチェック。松本も清水も同点、岐阜が勝ってて北九州が0-2で負けてる!ってことは金沢、引き分け狙いあるかな?コンサも引き分けOKだけどできれば勝ちたい。すると、上里OUTで前寛IN。同じポジション同士での交代。つまり、システムをいじる交代ではないからフクアリと違ってバランス重視で勝ちに行く感じではない。これは引き分けも視野に入れ始めたかな…。

 両チームの動きが少なかったこともあって、ここからはこまめに他会場の動向を仕入れながらの観戦に。清水勝ってる!何だよ、松本もかよ!と一喜一憂している間にドームの空気がだんだん微妙になってくる。金沢もガツガツ来ない。それに呼応したのかコンサもサイドではそれなりに前に出るが中央ではさっぱり。
 残り5分くらいから攻めない姿勢が露骨になり始めた。最初は「ヘイヘイ!」と声を挙げていたけど、コンサはずっとボール回しを続けていたので「ああ、これはもう(残り時間を)流しに行ったな…」とわかった。コンサが1点差負けでも松本が3点差以上で勝たない限り昇格はできる。ギリギリまで攻めて欲しかったが、岐阜が勝ってて北九州が3点のビハインドでは金沢に攻める理由がない(勝ち点3でも1でも入れ替え戦回りに変わりはないため)。アディショナルタイムに入ってからは両チーム棒立ち。思わず笑ってしまった。かくして、どっちらけ感に溢れた金沢戦はスコアレスドローに終わったのである。


 さて、金沢戦の後はいろいろな意見が飛び交った。試合が終わってからも声を大に出来ない優勝と書いた。首位で優勝目前のコンサが最下位相手にホームで試合をする。それはすなわち勝つだろう、勝って欲しいという期待が大きかったいうこと。どんな形であれ勝って決めてほしかった、引き分けに終わったとしても攻撃し続けた上で金沢に粘られたのなら納得も行くというのがサポやいちげんさんに関わらず多くの人が思い描いていたことだと思う。声を大にできないというのは首位らしい強い戦い方、ホームゲームらしい攻撃的な試合が出来なかったという意味合いが強い。

 だが、福森とジュリーニョを出場停止で欠く状態で果たしてそれが戦力的に可能だったのか?

 櫛引は守備はまだしも攻撃では到底福森の代わりにはなれなかった。普段やらない左サイドなら尚更だったろう。河合は守備の読みは流石だったがビルドアップに難があるし、増川と違って自分で持ち上がることが出来ない。ボランチはもともとメンツが足りない上に上里と前寛は一長一短というか帯に短し襷に長しというか、どっちを使うにしても不安が残った。都倉にお任せ状態になったのも致し方ないと思うし、前半の出来からしても負けない戦いにシフトしたのは賢明な判断だったと思う。結果的に引き分けで締めるにしても何もあそこまで露骨にやらんでも…と思ったが、いわゆる“鹿島る”だけの力がコンサにはなかった、残っていなかったというのが実情じゃないかな。

 1/42か、1/1か。

 普段から応援している立場からすれば攻め倒して勝ってきた四方田コンサじゃないのはわかってるし、41試合の積み重ねがあったからこそ圧倒的なアドバンテージがあってそれを最大限に生かせるというのもわかっている。余所の話でいえばラス前で町田に負ける松本が悪いってことにもなるし。いくら金沢が最下位とはいえ見かけの順位ほど差はないこともわかっているし、何よりJ1昇格がどれだけ大変で長い道のりかをわかっている。だから結果を出すことに徹した姿勢にも試合後の四方田監督のコメントにも肯けるというもの。
 そりゃあ、エンタメっていう視点からしたら「安くないチケット代払って、こんなつまんない試合かよ!」というのもわかる。勝ちに行かない試合なんてありえねーよ!ってのは1/1という考え方ならその通り。ましてや、3万オーバーの観客が詰めかけた上に「優勝できるかも!」って期待感満載のホームゲーム。オレだって「寒い中並んで待ったのにこれかよ…」とも事実思ったし、“神”の怒りにも触れたわけだし…。

 ただ、状況が特別だった。コンサが引き分けOKというだけでなく時間の経過と共に相手の金沢も引き分けOK、かくして両チームが勝たなくてもいい、勝利を目指さないという極めて特殊な状況になってしまった。期せずしてアルウィンではプレーオフで“悲劇”が起こってしまったわけだけど、大きく違うのは松本が引き分けOKだったのに対して岡山は引き分けではダメだったこと。だから低い位置で奪われるリスクを考えたら松本はコンサのように最終ラインでゆっくりボール回し…ってのが許される状況ではなく、断片的な映像しか見てないけどラインを高く保とうとしたっぽいのは間違いではないと思う。

 あと、四方田監督は単に昇格するのではなく優勝することを考えていたんだと思う。負けても昇格はかなり高い確率でできる。ただ、絶対ではないし、万が一プレーオフ回りなんてことになったらマヌケ極まりない。それに当たり前の話ではあるが、優勝できるのは1チームのみ。そのチャンスをむざむざ逃す必要がどこにある?と。優勝して昇格する、そのチャンスがあるならそうするのが当然ではないか。同じ昇格でも優勝するしないでは大違い。実際、優勝セールだって開かれたし紙面の扱いだって大きく違う。オレと同じように試合の翌日スポニチをスルーした人は手を挙げようw。

 文化を育てなければならないってのは確かにその通りで、それはサポの務めでもあるよなあと思う一方で、優勝の重みをじわじわと感じている。そして、勝つこと、とりわけ優勝して昇格を決めることは素晴らしいのだ、三浦コンサの時と同様に高い山だろうが低い山だろうがてっぺん獲ったヤツが一番偉いんだ!と改めて思っているところである。

posted by フラッ太 |02:15 | 旅行記 | コメント(3) | トラックバック(0)