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2013年06月30日

'13第21節VSザスパクサツ群馬・アフターインプレッション。~采配への疑問~

 過密日程かつアウェイ連戦で相手が下位に沈んでいるとなれば、内容は悪くともキッチリ勝つ。J1昇格を狙うクラブであれば出来るはずであるが終わってみれば0-2の負け。百歩譲ってもスコアレスドローで勝ち点1だけでも拾うのが当然なのだが、それができずに負け試合になってしまうあたりまだまだ甘いということ。
 アウェイ連戦で勝ち点4以上とか勝ち点計算をしたり順位など気にするだけムダで、プレーオフ云々はその圏内に飛び込んでから考えりゃいい。どうせ混戦状態はすぐに収束しないのだから。選手たちは目の前の試合に勝つことだけに集中して欲しい。もちろん、そうだと思うけど。ああもう、負け試合だと野放図に矛先が広がるな…。

 前半は両サイドも制圧し、群馬は外に出すだけとか前に蹴っとけなんて言った時間帯が過ぎていく。どっちがホームか判らないくらいに。イケイケで攻撃できている時にはセットプレイ1発でやられるのが怖いよなと思いつつ試合を観ていた。何せ岐阜戦での美尾のFKの例があるからねぇ。あとは決めるだけっていうくらいに前半はほとんどコンサの時間帯。
 前半終了時には戦術厨の癖として「もし交代カードを切るなら誰(と誰を代えるの)だ?」というのを考えるようにしている。純貴はポスト役で機能している。ウッチーはどんどん裏に抜けようとしてるし、そのスピードが相手守備陣に怖がられている。両サイドはSH,SBがうまく連係して抉ることが出来ている、カズゥは発射台でいわゆる“散らし”のパスを出し放題。…ってことは宮澤か?でも、砂川との交代は怖すぎるよなあ、なんて思いつつ後半へ。

 後半は予期せぬミスから動いた。カズゥのポカは選手層の厚いチームなら即刻懲罰交代モノ。でも財前コンサにそんな荒療治ができるはずもなく、重要なピースである以上外すことはあり得ない。カズゥなら大丈夫っていうのが攻撃の前提なんだから信頼を失うようなことはやっちゃいかんよ。まず、落ち着くことが肝要と思っていたら俄然群馬側が息を吹き返した。それまで余裕でボール回しが出来ていたのにバタバタし始める。
 中継で「砂川のアップが…」と入った時にはやっぱり砂川かあと仕方ないという気持ちとガッカリな気持ちがない交ぜに。ただ、交代カードがナナメ上だった。2枚替え、しかも工藤を入れるとのこと。思わず声が出た。「工藤をどこに入れる気だ?」と。戦術厨の予想としては工藤は最後のカード、ラスト15分くらいで勝負に出るならアリかなと踏んでいたので「(工藤投入は)早すぎないか?」と思ったのだ。
 しかも交代させたのは荒野でSHを両取っ替え。「いくら何でも無茶でしょ!」と思わずにはいられなかった。システム変更でもない限りSHは守備もしなきゃならないのに残り30分をぶっつけで起用とかギャンブル過ぎる…。4-3-3っぽくしたわりには砂川の位置取りがイマイチでたまに4-2-4に見えたり5-2-3に見えたりして、前半は両サイドで抉ることが出来て攻撃のバランスも良かったのに2枚替えしたせいでサイドで2枚上がるシチュエーションが減り次第に中盤があって無きが如くな状態に。

 砂川に関しては幸村殿は「もう使うな!」とばかりにかなり厳しく批判している一方で、Masamaruさんは砂川がいなければタメが作れない、むしろ群馬戦はスタメン起用すべきだったという考え。具体的な話は長くなるので今回は割愛して(苦笑)、群馬戦に限って言えば砂川投入ありきだったとしても2枚替えはするべきではなかった。せめて荒野は残してほしかったというのが僕の考えである。
 砂川は起点になれる選手ではある。ただ、あちこちに顔を出して自分が動き回ってボールをもらうというタイプではないと思っているので、砂川が起点になるぶんだけ周りが動いてフォローしてあげないとならない。すると砂川の主な仕事場となる左SHの反対側が空きやすくなる。FWの工藤にそれを望むのは無理がある、よって荒野は残すべきだったというのが僕の考え。

 純貴のプレイぶりは勉強になった。ハイボールで競り勝つだけがポストプレーではないのだ、と。距離が遠い時にはいったん受けに降りてくるとか簡単に“はたく”時はそうするとかかなり気を遣っていたフシがある。カズゥのシュートをお膳立てした胸トラップには思わず「ずいぶんオシャレなことやってくれるじゃねぇか…」ニヤニヤしてしまった(苦笑)。
 上原を“電柱”にしたのはスタミナ切れが顕著だったからだろう。でも、代わりにSBに入った松本がポカをやらかした。ガツガツ当たりに来ているのに大丈夫かなあと思っていた矢先に。この交代カードの切り方は意図が明確である。ただ、意図が明確なのは守備側にとっても同じこと。1-0でいい、まずは何がなんでも上原を抑え込むとばかりに守備側の意思統一をわざわざ誘発させた。ひたすらロングボールを蹴り込むだけでは却って群馬の集中力を高めさせるだけだった。

 何というか、早すぎる工藤の投入といい、采配にイヤらしさがないと感じるのは気のせいか?

 1点ビハインドでも慌てる必要はなかったと思う。極端な話、ウッチーをひたすら走らせてヨーイドンを繰り返し、群馬守備陣を消耗させてから工藤(or榊)と代えて純貴の衛星役にしても勝機は十分あったと思う(純貴を残すのはゴールキックでの競り役、セットプレイ時で攻守にいてもらう必要もあるため。贔屓目ではない)。工藤はいわば“秘密兵器”。残り10~15分で投入して味方だけがわかっている工藤の特長を相手が掴む前に1点決めるくらいのヒネくれた根性があってもよさそうなもんだが…。短い時間なら攻撃のことだけを考えてプレーできたはずだし、大挙押し寄せたサポによって「何かが起こる!」っていう空気も生み出せたかもしれないし。

 工藤に関しては嗅覚のある選手という前評判に偽りなしというのが率直な感想。そして自分が奪われたボールを奪い返しに行ったあたりに「ほう…」と好感を持った。群馬戦に限って言えば一番危機感を持ったのは恐らく榊だろう。絶対的なスピードは榊の方が上だと思うが、大学で揉まれて経験値を積んだだけあって工藤はクレバーさが光る。いい意味で自分のプレーに緩急をつけられるという意味では非常に貴重なFW。当分は最後の切り札的な起用をしてほしいところ。

posted by フラッ太 |22:56 | アフターインプレッション | コメント(5) | トラックバック(0)