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2013年06月04日

第17節VS横浜FC・アフターインプレッション。~12VS11~

 問題:コンサドーレ札幌のホームスタジアムといえばどこでしょう?
 「フクアリ!」ブー。正解はニッパツ三ツ沢競技場です。

 …なんて前フリをしたくなるくらいにギッシリ入ったアウェイ側の客席。なんというホームジャック。TVに向かって半分笑いつつ「ちょっと待て!」と何度つぶやいたことか。だってスカパーの放送じゃコンササポの声がずっと勝ってたんだもん。横浜FCとしちゃ「どんどん入ってください。勝ち点はやらんけど」とニンマリするつもりが開始わずか10分で2失点、挙げ句完封負けでホーム未勝利継続という涙目な結末に。

 ホームで勝てないのはこっちも同じだからあまり偉そうなこたあ言えんが、キックオフ前からどこか異様な空気が流れていた気がする。コンサの選手にとっては赤黒サポの声援が文字通り後押しとなり、横浜の選手には「今日こそ勝たないと…」という重圧や不安を増幅させることとなった。そう感じさせるほど試合の入り方に差があったからこそ半ば火事場泥棒的な感じであっという間に2点が入ったんだと思う。
 日高のゴールもシュート自体ギリギリのコースに飛んだけど気持ちごとねじ込んだように思えたのは気のせいじゃないだろうし、前俊のゴールもその前の荒野のプレーに4人がつられてしまった。出鼻を挫かれて落ち着こうとした矢先に「止めなきゃ!」と荒野に総出でアタック。横浜側に焦りがあったとしか思えない。前俊ガラ空きだったもの。股抜きもお見事だったが、あの場面はFWにとってはほぼごっつぁん。

 それでも決して完勝だったワケじゃない。大久保や黒津、内田など前線には怖い選手がいた。黒津が移籍してたとは…。忘れもしない3年前のホーム開幕戦。ホント、大久保にはひどい目に遭わされたよ(泣)。横浜戦でも松本は黒津にやられていたし、黒津がバーを叩いた&大久保があわやのシーンはマジで肝を冷やした。
 あそこで確実に仕留められるのがJ1で、「あっぶねぇー!」で済んでしまうのがJ2。いやぁ、J2でよかったよ。あそこで1点入っていたら勝負の行方がもつれた可能性は高いというのは勝ったから言えるんだけど、勝負運もメンタル的な余裕もことごとくコンサに傾いた。ある意味今年の横浜FCを象徴するような分水嶺のプレーだった…というのは言いすぎか。前半終了間際に見せた前俊の人を食ったようなループシュートは奇才の面目躍如。
 メンタルという意味では河合が戻ったことが大きいかも。前半のみの出場なので土下座祭りとまではいかないけど、河合イラネと叩いた人たちには正直スマンかったと詫びの一言が必要な出来であったと思う。河合無双よりはむしろ「河合さんがいてくれる」と選手にもたらされる安心感とでもいうか。裏を返せばまだ周りが大人になれてないということにもなるが…。
 宮澤やカズゥにはまだそこまでの信頼はないのかなあ?カズゥはボールは持てるけど(実際ボールは集まっている)、推進力に欠けるところがあるし。もっとも、河合レベルにまで絶大な安心感をもつにはそれなりに年季、経験値が必要ではあるので、ないものねだりと言えなくもないんだが…。でも、そろそろこの2人にはそうした存在になってもらわにゃ困るんだよな。

 前半は勇気を持ってDFラインを高くし、3ラインをコンパクトにできていた。ホーム、アウェイにかかわらず財前コンサがここまでプレイエリアを高くできた試合は初めてかも。選手個人では荒野がよくカメラに“抜かれて”いたが、SHに回ったことと前俊の1トップになったことでプレーの選択がやりやすくなったのかな?上原1トップの時は衛星役を意識するあまり間延びしてしまったけど、SHに回ってプレイエリアが限定されることで良さが出た。真ん中に3人いるので守備も基本的にはそんなに気にせず、自分の背後がピンチの時には戻るというシンプルなタスクになったことも大きいかもと戦術厨は妄想してみる(苦笑)。

 後半は横浜側も前に人数をかけてきた。3-4-3で強引にDFを押し込められて5VS5の状況の時が一番しんどかったけど、田原の投入でツインタワーにしてくれたことでCBがマンツーでサボれない状況になり役割が明確になった。これは却って助かったかも。それでも田原には肝を冷やされたが(汗)。徳島や岡山相手にコンサが苦戦したように1トップ2シャドーのほうが捕まえにくかったのでは?ボールこそ出なかったけど前半には地味に内田に抜け出されていたし。
 序盤でポンポンとポイントを獲って攻めに出ざるを得なくなった横浜を受け止めるまではいいんだけど、受け止めるだけになっちゃってズルズル付き合うハメになったのは反省材料。いなす強さがないと言えばそれまでだけど、このへん良くも悪くも競った試合にしてしまうのはまだまだ試合運びに課題がある。決めるチャンスはあったしね。メンタルの余裕が悪い方に出たかな。押し込まれたので宮澤も守備に目が行きがちであまり前線に顔を出せなかったし…。横浜戦の出来なら前俊はフルタイムでも大丈夫そうだったけど、サブが5人なので他に選択肢がなかったのかな?

 今回は戦術とかよりも精神面での“揺れ”がそのまま勝敗に結びついたように思う。よって、MOMは荒野ではなく、選手を奮い立たせる空気を作った現地に駆けつけたサポーターということで…(笑)。

posted by フラッ太 |02:50 | アフターインプレッション | コメント(4) | トラックバック(0)