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2012年12月05日

文字で泣いた。

 仕事でゴンの引退会見を見ることができなかったので読むことにした。(→こちら)
 もうね、文字で泣いちゃったよ。絵が浮かんでくるんだもの。

>自分のなかでイメージしている『こうでなければいけない』というレベルのプレーに
>自分の体が反応してくれない。その原因は痛みでしたから、それを引きずりながらでは勝負にならない。

 頭でわかっていても身体がついていかないのは本当にもどかしかったことだろう。少しでもそのギャップを埋めようとリハビリを続けるのは努力や忍耐なんて言葉じゃとても言い表せそうにない。

 ピッチに立ちたくても立てない現実の前でもピッチに立つために最大限のことをする。

 それが中山雅史の信条であり、同時にプロフェッショナルとしての姿勢、あるいはプロ選手に課せられた義務でもあるのだろう。だが、実際にそれをやり続けることがどれほど困難か。ゴンの心がよくぞ折れなかったと思う。引退を決断する前にクビを言い渡される選手はいくらでもいる。感謝の意を述べるのは彼にとってはごく自然なことだろう。

 ゴンが“ただの選手”なら中山雅史というプロサッカー選手の引退をここまで惜しまれることはなかったはず。今や日本代表でも“海外組”は当たり前どころか多数派になりつつあって、海外に出ない選手は一流じゃないなんて空気もあるかもしれない。
 でも、中山雅史のプロ選手であり続けようとするその姿勢は決して有名どころの選手に引けを取らない。身も心も消耗しきっての引退ではなく、精神は全く衰えを見せない、もっともっと上手くなりたい向上心を失うことがないのに反比例して肉体がついていけない。だから今は“引退”する。

 コンサへの置き土産は榊の名前を出してくれたことかな。Jを見ている人は「榊?ああ、アイツか」と思ってくれる人はきっといることだろう。でも引き抜きするのはカンベンな。今からこういうことを言うのはプレッシャーかけるようで何だが、今年のコンサにあって数少ない明るい話題であり、将来を背負うであろう希望の星でもある。
 ユースでの育成は最優秀育成クラブ賞をもらって名実共に認められたけど、ユース出身者はトップ昇格後にむしろ伸び悩みが目立ってしまっている。ただ、榊には仲間と同時にライバルもいる。そう、GON44だ。かつて征也と大伍が競い合ってお互いを高め合っていったように、GON44の5人が屋台骨を支えて今度はコンサででっかくなってコンサを大きくしてほしい。

 バリバリになったらカムバックするってのは冗談じゃなく本気で言っている。
 いかにもゴンらしい、そしてゴンにしかできない“引退会見”だ。
 ゴン自身にも周りの人たちにもきっと今が“その時”なのだろう。そんな会見だったと思う。

posted by フラッ太 |18:20 | ちょっとカタい話 | コメント(3) | トラックバック(0)