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2011年12月26日

裏MVP・岡山一成。

 さて、やはり今年の石崎コンサについて総括する上で、やはり岡山の加入を無視するわけにはいかないだろう。練習生としての参加から正式に契約を結んで、さっそく岡山はブチかましてくれた。

 「昇格できなかったら赤黒のユニフォームを脱ぐ。」

 当時、僕はこの発言を「意気込みはすごいけど、今のままじゃ今年いっぱいで脱ぐことになるよ・・・」とあまり本気で受け止めていなかった。岡山の加入時期、チーム状態はどん底でとても昇格など想像できなかった。そんな中で岡山の本気を信じることができた人がどれだけいただろうか。

 「昇格するにはチームメイトはもちろん、スタッフ、フロント、サポーター、スポンサー、
 そして札幌に関わる全ての人々の昇格したい、昇格させたいという強い想いが必要です。
 皆さん、一緒に戦ってください。そしてJ1に昇格しましょう!」

 普通、こういう時のコメントで昇格目指して頑張りましょう、くらいのことは言っても「戦ってください」とは言わないんじゃないか。サポの立場に“降りてくる”というのが適切かどうかはわからないけど、岡山の素の感情がこう言わせたんじゃないか。選手を特別視することで「お前らそれでもプロか!」と攻撃的に、先鋭的に傾いて選手に投げっぱなしになってはいなかったか。そんな思いが少しずつ僕の中に芽生えてきていた。コンサ関係の情報番組は見たらどんどん消していくんだけど、ファイコンで岡山が出てきた時はなぜか消せずにいた。ファイコンの中で岡山は

 「(自分のストロングポイントは)言葉ですね。僕は試合中声出したりもそうですし、
 みんなの気持ちを代弁して僕はしゃべっていきますんで。」
 「一回スタジアムに足を運んでください。
 そして、どんな試合なのかを見て判断してください。一回でいいんで。
 観に来てください。お願いします。」

 と言っている。改めて見直してみても、何というか、“さらけ出している”よなあ。最終戦の前に宮澤とどさんこワイドに出た時は気持ちが入りすぎてイヤらしくなってた感がしないでもなかったが(苦笑)。

 もうひとつ、岡山が凄いなと思ったのは“自分を殺せる”こと。

 プロ選手である以上、試合に出てナンボ。ポジションを争うライバルがいれば蹴落としてでも奪わなければメシの食いっぱぐれというのがある中で、フォア・ザ・チームと一言で言い表せないくらいにサブの選手を鼓舞し、時としてサポを煽る。道化になることも厭わない。

 あそこまでやれるものなのか、どうしてあれだけのことができるんだ?

 そんな疑問はきっと誰しも思ったことだろう。でも、少しずつ勝ちが増えてきて、歯車が噛み合い始めて、選手もサポも何かしら気づき始めたというか思い出したというか。岡山は単に選手とサポの距離を縮めてくれた、結束をもたらしてくれたというだけではなくて、等身大の自分を隠さずにさらけ出すことでいろいろな意味での壁を取り払ってくれた。そんな気がしている。
 裏とは言えないくらいに岡山の露出は大きくなったけど、河合が選手たちを引っぱっていったのを表と考えると、選手を引っぱること以外にクラブがひとつになることに大きく貢献してくれた。なので、岡山を裏MVPと勝手に表記してしまうんである。

posted by フラッ太 |12:00 | ちょっとカタい話 | コメント(2) | トラックバック(1)