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2010年12月24日

喪失感。

○コンサドーレ札幌 藤田征也選手 アルビレックス新潟へ完全移籍のお知らせ

 覚悟していたことがついに起こった。

 コンサドーレに残ってくれという思いと選手個人としてより成長して欲しいという気持ち。
 どちらが大事と選べるものでもないし、どちらも諦めるつもりはない。
 だが、少なくとも来季は赤黒のユニを着てピッチを駆ける征也の姿を見ることはできない。

 それが現実。

 「何だよ、札幌に残るって言ったじゃないかよ!」

 怒りではない。驚き、信じられないという気持ちだった。
 征也はきっと札幌に居続けていてくれるはず。
 コンサの象徴としてチームを引っぱっていってくれるはず。
 そう思っていた。でも、現実は変わらない。

 J1で戦いたい。

 征也に限らず、コンサに関わる人なら誰しも思うはず。コンサは来年もJ2を戦う。結果が出せなかったのは監督だけのせいじゃない。選手にだって非はあるし、選手補強がうまく行かなかったフロントにだって責任がないとは言えない。
 でも、選手個人にJ1で戦うチャンスが巡ってきた時にそれを止めることができるだろうか?征也に「行くな!」と言ったり「コンサに残って一緒に頑張ろうよ!」とかきれい事を言うのはそれこそ一方的なこっちのワガママじゃないだろうか?そんなふうに気持ちが揺れ動いた日々だった。 
 
 上がれなかったオレたちが悪い。

 そう割り切れれば簡単だし、そうでもしないと前に進めないんだろう。でも、征也のいないコンサの試合をイマイチ想像できない自分がいる。征也のいないコンサには大きな穴が空いてしまった。そんな喪失感がある。もし、コンサがJ1にいたならばきっとブログで「行かないでくれ!」と書き散らしていたに違いないと思うと、J2暮らしのやるせなさを感じずにはいられない。
 
 でも。いや、“だから”かもしれないけど。

 征也がコンサを去っても、征也を“裏切り者”とは不思議と思わないんである。
 きっと、惚れた弱みなんだろうなあ(←野郎に惚れられたかないだろうが)。

 いきなり大上段でアレだが人間ってのは自分にないモノを求める。

 岡田もそうだったんだけど、征也もものすごく走る選手だ。デブのオレには単純に「スゲーな、おい!」と思わせる選手だった。さらに、征也はユースからトップに飛び級でチーム帯同したとあってはアイドルまでは行かないにせよ、憧れの存在だった。「こんなすごいヤツがいる!」といってもそれが目に見える形で現れることはそうあることじゃない。が、征也はそれをやってのけた。実力勝負の世界で飛び級で殴り込んでいくってのはそれだけの理由があるからできること。

 背番号10がクラブの顔であるなら、背番号7はスピードスターが背負うべきもの。

 まあ、勝手な思い込みなんだけど(苦笑)、征也が背番号7になった時はそりゃもう嬉しかった。和波も韋駄天で似合っていたけど、征也の背番号7には「おお、やっと似合う番号を手に入れたな!」という感慨のようなものがあって。同時に、これで正真正銘コンサの中心選手になったんだよなと求められるものの大きさを思わずにはいられなかった。
 2008年のコンサがJ1の舞台で戦うということもあったが、生で試合を観たいということ以上に征也がどれだけやれるんだろうというのが気になって仕方がなかった。いくらブログでグダグダ書いてたってラチが明かない、だったら実際に自分の目で見るのが一番だ。試合で征也はチョンボもやったりしたけど(苦笑)、僕にとって生観戦の大きな後押しになったのが征也であり、生観戦することでよりコンサに関心を持つようになったのは間違いない。

 今年は選手の流出が相次ぎ、来季は背番号1から8まで全ていなくなることになる。出場機会を求めたり、上位クラブへの出世など理由は様々あって身内であれば全部が全部マイナスな事ではないんだけど、端から見れば“チーム崩壊”に映ることもまた確かなこと。征也だけでなく大伍もコンサを去る。2人ともいなくなる、しかもほぼ同時にとなるとショックは何倍にもなる。この点も単に戦力が少なくなるということ以上の喪失感を抱かずにはいられない。
 
 今はただ、漠然と襲ってくる不安や焦りを何とかして抑えている。
 それは「なかったことにしよう」というのではなく。
 現実にどう向き合って、だったら何をすればいいのかと考えてみる。
 といっても、やれることはオレの場合ブログを書き殴ることくらいしかないんだが(汗)。
 せめてもの意地があるとするなら「絶望」という言葉だけは使わないってことかな。

posted by フラッ太 |18:37 | ちょっとカタい話 | コメント(5) | トラックバック(0)