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2010年07月01日

岡田ジャパン雑感②。

 「神様がまだ早いって言ってるんだよ」

 正確な表現は忘れたが、アメリカW杯予選でのドーハの悲劇でラモス瑠偉がこう言っていたと思う。海外で初めてベスト16に進んだ日本代表。だが、ベスト8となるとそこにはまだまだ厚く高い壁があったということなのだろう。負けなかったという見方をすれば紙一重の差であった。しかし、勝てなかったという見方をすればそういうことになってしまうんじゃないかなあ。

 岡田ジャパンは本田に始まり本田に終わった。

 本田はまるで自分自身にプレッシャーをかけるかのように大口を叩き続け、そして実績を残してきた。岡田監督がベスト4と公言してきたのとは関係なく、本田は本気で優勝を目指していたと思う。本田はパラグアイ戦の後でも「もっと攻めなきゃダメだ」と振り返っていた。何を言っても負けは負けと結果を受け入れつつも本気で悔しがっていた。

 僕は今でも本田を1トップにしたのはそうせざるを得なかったという見方でいる。
 イングランド戦で阿部をアンカーに起用して守備の目処は立っていたと思う。守備から入るのをベースにしつつも、ドン引きで守備をするのではなくて積極的に動いて囲んで奪う。となると、SHにも運動量や献身的に守備をする姿勢が求められたのだろう。俊輔がポジションを失っていったのはある意味自然な流れかもしれない。

 初戦のカメルーン戦で僕が最も驚かされたのは大久保だった。ワガママな印象がある大久保があんなに献身的に守備に参加しているのは最初信じられなかった。反対サイドの松井の動きはどうなんだろう?と見てみるとやっぱり松井もかなり低い位置まで戻って守備をしている。
 これで90分保つのか?と思っていたが、やはり交代はこの2人だった。石崎コンサと重ねてみてしまうのはこのへんで、あれだけ上下に走らなくてはならない状況だと90分保つとは到底思えなかったからである。岡崎や矢野の投入でそのポジションでのタスクは変えずに90分通した。

 森本が今大会では出場機会がなかった。コンディションの問題で代えたくても代えられなかったのか、または代えない理由があったのか。岡田監督は本田の1トップで通した。必ずしも本職とは言えない本田があそこまでやれたのは本田の技術の高さがあったればこそだが、もし前田遼一が選出されていたら試合展開は変わっていたのだろうか。もっとも、これとて小手先のレベルにすぎないだろうけど・・・。
 タラレバであることは百も承知だが、そう思わずにはいられない。今大会で選出されたFWのうち最前線でデンと構えるタイプの選手がいなかった(森本が最も近いと思うけど出場機会がなかった)。全員守備を求めた岡田監督のお眼鏡に適うFWがいなかった、もしくはそういうタイプのFWを好まなかったということなのかもしれない。

 長谷部が代表選手の多くはJリーグにいるとコメントした。
 クラブチームあっての代表だし、国内リーグのレベルが上がってこそ代表選手のレベルも上がる。中盤の選手が多士済々なのに比べて、FWとなると必ずしも日本人選手が活躍できているわけではない。これは4年後に間に合うかというとけっこう難しいし、10年スパンで考えたとしても解消できるかどうかわからない。

 いわゆる“点獲り屋”が出てくるのを待つのか、中盤の選手が変異するのを期待するのか。
 ベスト8の壁に跳ね返された後でそんなことを思ったんである。

posted by フラッ太 |12:55 | FIFA World Cup 2010 | コメント(0) | トラックバック(0)