コンサドーレ札幌サポーターズブログ

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2008年09月16日

<第5話> 地下歩道の扉

7月29日以来の空想短編です。関心ない人はスルーして下さい。
もちろん話はフィクションです (笑)
しかも、出だしこそ事前に浮かんだネタですが
以降は文字入力しながら行き当たりバッタリでストーリを考えているし (^_^;)
なので、実は自分でも少しワクワクしながらやっています (笑)


【地下歩道の扉】

毎日の通勤で、ここを通るたび気になっていた。
JRのN駅を降りて100mほど歩くと、線路の下を通り抜ける地下歩道があるのだが
階段を降りて左へ曲がり真っ直ぐ進むと、その途中の左側に小さめの扉がある。

扉の向こうには、この地下歩道を管理している部署にとって必要な物が置いてある
或いは設置されているのだとは思うが、時々中を見てみたい衝動にかられる。



まだ真冬とは言えない12月17日、朝まで雪が全然なかったのに
札幌は昼過ぎから、発達した低気圧の影響により大荒れとなった。
この日は職場の忘年会があり、その前にボウリング大会も開催される。
3時にボウリング場へ集合となっていて
私は同僚のB君と一緒に職場から、猛吹雪の中をN駅へ向かい歩き出した。
湿った雪が横殴り状態で、雷も鳴っている。

長い直線道路からようやく地下歩道に辿り付き、我々は階段を降りた。
地下歩道の中は静かだった。外の荒れ模様も感じないほどだ。

すると…… いつもは施錠されているはずの気になる扉が少しだけ開いていた。
「ここだよ。俺が前に話した扉」
B君は 「早く駅に行こうよ」 と怪訝な表情。
「中はどうなってるんだろう。せっかくだから覗いてみようよ」
私とB君は扉をもう少しだけ開き、そして中を見た。


機械室っていう感じで、色々なマシンが設置されていた。内部は予想外に広い。
機械の間をぬって進むと、1番奥の突き当たりに、また扉があった。
ドアノブを回すとカチャっと音がする。どうやら鍵はかかっていないらしい。
でもさすがにその扉を開ける気にはならず、私はグルリと中を1回りして
最初に入ってきた扉へ向かった。

すると最初は関心を示さなかったB君が
奥の扉の前に立ち止まってドアを開けようとしている。
「おーい!ボウリング場へ行くぞ~!もうここから出ようよ!」 と声をかける私。
しかし返事がない。
私は奥の扉へ戻った。B君はいない。まさか中に入ったのか !?
閉まっている扉のドアノブが今度は回らない。鍵がかかっている。
「B君!B君!中から鍵をかけたのかい !? 出て来いよ !!」

力を込めてドアノブを回し続ける内、カチャっと音がして扉がすーっと開いた。
私は目を疑った。
そこは最初の地下歩道だった…… じゃあ、これは最初に入った扉なのか……。
でも、そんなはずは絶対にない。

「えっ?そんな……?」 私が地下歩道に出た瞬間、扉は閉まった。
そして施錠されている。もう開かない。

B君は一体何処へ……。

--- END ---

posted by hiroki |18:19 | 空想短編集 |