2008年06月10日
新コンテンツ <第1話> エレベーター
次の試合まで間隔が空くし、シーズンオフ期間もネタが少なくなるし 元々コンサネタの割合が少ない私は、それに輪をかけるように 更に新コンテンツを作ることにしました。 そのコンテンツは 空想短編集 です。 私は結構空想するのが好きなので、浮かんだらエントリーしてみたいと思います。 では早速エントリーします……が、どうか期待しないで(笑) 【エレベーター】 その日、私は平日昼間の繁華街を歩いていた。 用を足したくなった私は、とりあえず雑居ビルの中に入りトイレを探した。 夜は賑やかな繁華街も平日の昼間は閑散としており、ビルには人の気配が全くない。 このフロアに、どうやらトイレは無いようだ。 ほかの階を探そうとしたが階段より先にエレベーターが目に入った。 私はそのエレベーターに乗ってみた。 スーッと閉まる扉。 階数表示はデジタル式。四角い画面に階数がオレンジ色で表示される。 地下1階へ行ってみることにした。 ビル入口の看板に、地下にも数件の店名が書いてあったからだ。 もちろんこんな時間だからまだ営業はしていないだろう。 B1のボタンを押した。 私1人を乗せたエレベーターが下降する。 「あれ? 1階分しか下がらないのに随分時間かかるなぁ」 まるで病院のエレベ-ターのようにゆっくりだ。 動いているのになかなかB1階に着かない。変だな……。 私は階数表示を見た。その瞬間、腰が抜けそうになり座り込んだ。 表示が B10・B11・B12・B13 …… と、どんどん下がっている! 「こんな雑居ビルに地下10階以上とかって絶対にありえない!」 どうしよう…… 表示を見つめるしかない。 B17あたりで元々ゆっくりだった下がり方が更に遅くなり そしてB20の表示でエレベーターは止まった。 扉は閉まったままである。 私はゆっくり立ち上がった。「この扉の向こうに何があるのだろう……」 「いや開けちゃダメだ!何があるかわからない !! 1階のボタンを押して上に戻ろう。そしてこの怪しい雑居ビルから出よう!」 心の中で葛藤が続いた。 そして私の選んだ結論は…… 私は震える指で開くボタンを押してみた。 少し間を置いてから、扉がスーッと開き始めた。 扉の向こうには…… 扉の向こうには…… 私自身が立っていた。 扉が開いたところには、扉と同じ大きさの鏡があったのだ。 「これ以上冒険するのはやめよう」私は扉を閉めて1階のボタンを押した。 下がる時とは比べ物にならないスピードでエレベーターは上昇した。 エレベーターは1階に着き、扉が開くとそこは元の風景だった。 私は足早にエレベーターを後にし雑居ビルから外へ出た。 トイレに行きたかったことは完全に忘れていた。 外は何の変哲もない平日昼間の閑散とした繁華街だった。 -- END -- 本気でプロの小説家を目指している実妹にこれを見られたら ……きっと指摘されまくりだろうな~ (笑)
posted by hiroki |18:41 | 空想短編集 |