2019年10月11日
胸に星を
万博記念公園駅へと向かうモノレールの、目の前の席に、ガンバのユニフォームを着た若者が座っていた。 金曜日の、まだずいぶんと早い時間なのに、スタジアムへ向かう彼は、熱心なガンバサポーターなのだろうと思いながら見ていた。 ふっと、ユニフォームの胸に目が行った。 エンブレムの上に並ぶいくつもの星。 そうか、それは、このチームの輝かしい過去の栄光の痕跡なのだ。 そんなことをぼんやりと考えていた。 そして。 あの星が欲しいと、遠慮がちに伸ばした手を、足蹴にされた気がした帰り道。 彼らにはあって、今の私たちにはない星を、欲しいと思うなら、蹴られても、倒れても、挫けずに、欲しいのだと声をあげて、手を伸ばさなくてはならないのだと思った。 熱望して、渇望して。 何度払われても、手を伸ばし続けなくてはならないのだ。 私たちは、挑んで、戦っていかなくてならないのだ。 胸に星を輝かせるために。